履かなくなったデニムを「画材」にするというアイデア

ブラスト、シェービング、ケミカル、ヒゲ、加工方法や色落ちの違いで幾重にも表情を変えるのがデニムジーンズの魅力。そのデニムを画材に使って、唯一無二のアートワークを体現するアーティストがいた。

とてもデニムだけでつくられているとは思えない。

デニムのもつ表情を
そのまま画材にする

53b454d92f5ee79abd21dff61c3b6c51dddfe3ee

ロンドン在住のアーティストIan Berryは、一つとして同じ色味のないデニムの山から、濃淡を合わせて裁ちバサミで断片を切り出していく。いわゆる“切り絵”をデニムのグラデーションを用いて仕上げていくのが、彼独特の技法だ。

もう履かなくなったものを友人たちから譲り受けたり、古着屋をめぐったり、探している色に出会えないときは、新品のデニムをわざわざ購入することもあるという。そんな彼のアートワークを知ったアパレルメーカー「PEPEJEANS LONDON」が、ここ数年はリサイクルされたデニムの提供を名乗り出てくれたそう。

C8d4fc39cc136ebf5cfa99e21ff0487fc88d2de41308e08f5ae0a7a4ca0195570dc99fa1aa2b447a

ベルトポケットから裾のステッチ、ベルトまで、それぞれのパーツを巧みに生かし、インディゴブルーの濃淡とともに作品に抑揚をつけていくIan。

では、彼の作品を一つひとつ見ていこう。

デニムと等しく
“味”のある作品

64c7106b099e3ef3b61ab7448b0d8bc26bec0868D3b45988cf4f5bd28be5a5ce28ea6fcbb1bd27ec02365bbf1649249f2dc9ce3ca69d3f5d2270b00c872b1c9e87cbbbebb4e1d6fb2ca30200444a142c07fda48b4089c8e57ce41b30396bf377393b475e2714878e86518e4de212311b28f31d350522464994f78de68acb07fc089d2e53a63791c15d8e112aCee88448ee20b1d06ad2fb1681d35835e05cf917802642930282a03d1a9372056731c5d33d7044920f8e043fda187901d4f5437ffacfa3bfc7bbee4bD3c101bb912328a1c518f521b52595d57cd61bdc7a1c9b912c2f5c8d5947799ce578d9918d3d6ba9

無数の履き手の記憶を
ひとつの作品に留める

C7d59a518cd393c29ec12628336b8abae95b917558f3f820e6b9148e031bbdce22ca629e1c4204e1

いったい、作品を仕上げるのにどのくらいの時間を要するのだろう。Ianに尋ねてみた。

──ものにもよるけど、数週間かそれ以上。たとえばこのランドリーの床をつくりあげるだけでも3週間を費やしているんだ。洗濯機のドアのリングだけでも、1つ仕上げるのに丸1日とかね。もう散々切りっぱなしにしたデニムの山から、その色に合ったものを見つけ出し、断片を切り出していく。自分でやっていながらイライラする作業さ。

そして、どうしても聞きたいこの質問を最後にしてみた。なぜデニムだったのか、と。

──履き心地が良くて、いつも自分でいられるデニムがとにかく昔から大好きだったんだ。ある日、久しぶりに実家に戻ると、自室で山のようにうず高く積み上げられたデニムを見たとき、その1本1本に当時の自分が重なって、大切なメモリーであることに気づいたんだ。たとえもう履かなかったとしても、そのまま捨ててしまうなんてもったいなくてね。

作品は公式サイトでチェックを。

Licensed material used with permission by Ian Berry
大量に廃棄されている衣料品をリサイクルする目的もあり、デニムでつくったサングラスが開発されました。環境問題に関心のあるデザイナー2名が、クラウドファンディ...
みなさんが普段はいているジーンズ。それに使われているデニムが他の生地と大きく違うのは「色落ちすること」にある。はき続けているうちに、擦れ、色褪せ、自分だけ...
Levi'sがGoogleと共同開発を進めてきた次世代型ウェアラブルジャケットが、いよいよ2017年春リリースとなるようです。創業140余年、デニム業界の...
いまや世界中でファッションアイテムとして愛用されているジーンズ。そのルーツが、19世紀後半にアメリカで誕生した労働者向けのワークウェアであったことはよく知...
よくよく見ると、マットな素材のなかにも上品な光沢が確認できる独特の質感。これらのバッグ、じつはすべて畳の縁の部分「畳縁(たたみべり)」でできているんです。...
大英博物館やテート・モダンなど、名だたるミュージアムを数多く抱えるロンドン。先日、この街のとあるギャラリーで開催されたのが、犬のための現代アート展です。「...
現代女性の生き方のヒントとなる記事が並ぶ「Elite Daily」の人気カテゴリWOMAN。たまに、こんな刺激的な記事も登場するのが魅力です。女性ライター...
Be inspired!東京・NY・ストックホルムを拠点に2015年1月に創設。「社会問題を解決する“遊び心のあるアイデア”」を提供しています。また、世界...
 ずっと探していたんです、こんなふうにボリューム感のあるブレスレットを。ところが、どこにでもあるようで、いざ探してみるとないんですよ。編んでいたり、エッジ...
1970年代後半から80年代にかけて、音源・映像録音に使われていたのが磁気テープ。あの独特の音質を今でも求めるユーザーは意外に多く、近年微増ながら売り上げ...
まずはこの画像を見てください。公園でシーソーに乗っている2人組。でも、よく見てみると…。彼らが乗っているのはクリップ。横には鉛筆が転がっています。次の画像...
ロンドンのデザインスタジオで製作された、とってもオシャレなスリッパを見つけました。洗練されたデザインも然ることながら、本当に、このまま外履きとしてお出かけ...
ファッションは自分を主張するツールのひとつ。けれど、どうして病院のガウン(病衣)は、みな一様に同じ色、同じかたちのものなのか?大人だったら、こんなこと考え...
ヒールを履いたとき特有の「足の痛み」や「歩きにくさ」。多くの女性が我慢に我慢を重ねてきたあの悩みを、画期的なデザインで解消したハイヒールがあります。驚くな...
クリエーターエージェントクリエーター×クリエーターから生まれるコンテンツメディアqreators.jp世界的な建築家と数多くのプロジェクトを作りあげてきた...
実在するモノに映像をシンクロさせるプロジェクションマピング全盛の現代。もしかしたら、このアーティストの存在がなければ、今日ここまでのデジタルアート興隆はな...
「マステ」は、株式会社マークスのマスキングテープブランド。現在、これを使ったアート展が東京・表参道ヒルズで開催中。色鮮やかでカワイイ作品に対して...
旅の思い出を記録に残す方法は写真や動画が一般的。それ以外では、せいぜいスケッチといったところですよね?でも、ファッションデザイナーのTERESA LIM氏...
「卒業旅行は、海外でアートに浸りたい!」思い浮かぶ候補地は、ニューヨーク、ロンドン、パリ、フィレンツェ…あたりだろう。美術館でじっくりと鑑賞する。勿論、そ...
「黒リップ」と聞くと、裏原やゴスロリ系のイメージを持つ方も少なくないはず。でも、ビューティー・メイクアップ界では、2014年にかけて、黒い唇が一大トレンド...