世界初、「月面走行用オートバイ」誕生

日進月歩の宇宙開発。

民間人の宇宙旅行なども現実味を帯びてきた昨今、新たな宇宙へのチャレンジが開始されたようだ。

先日、世界最大の自動車博物館「Petersen Automotive Museum」の企画にて展示されたのは、真新しい姿をした一台のバイク

「Tardigrade(=クマムシ)」と名付けられたソレは、世界初となる“月面走行専用オートバイ”だ。

© 2021 Hookie Co. GmbH.

見た目からして斬新な構造は、見るからに道路を走行するためのそれではなさそう。NASAの文字がよく似合うデザインはまさしく宇宙用のものという感じ。

2020年に発案され、1年の開発期間を経てプロトタイプとして実機が誕生。

超軽量素材や専用のエアレスタイヤを駆使した設計で、宇宙探索に必要な様々な機材を運べるのだそう。最高速度は時速15km、最大110kmほど走行できるバッテリー容量と、十分に実用できそうなレベル。

ちなみに「Tardigrade」という名には、最も生命力の強い生物であるクマムシのように、過酷な宇宙空間でも探索者を生還させるという思いが込められているそう。

© 2021 Hookie Co. GmbH.

開発したのは、2012年よりドイツで活動している気鋭のバイクメーカー「Hookie」。

自社サイトで「実用的なものなんてどこにでもある。より魅力的で、美的でないと満足できない」と語るHookieだけに、そのデザインも秀逸。

サイトや写真をはじめ、プロモーションもかなり手が込んでいる。公開されたSF調のPVは、その情熱を感じられる仕上がりに。

いまや、「月に降り立つ」自体は目新しいトピックではない。その一歩進んだ挑戦として、「月で活動するため」の製品が民間からも開発される時代になってきていると言える。

先陣を切ったTardigradeは、Hookieが掲げるテーマ「THERE ARE NO LIMITS TO THE IMAGINATION.」の通り、新しい時代への期待を膨らませてくれる。

広がり続ける宇宙への可能性に注目だ。

© Hookie Co./YouTube
Top image: © 2021 Hookie Co. GmbH.
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。