音楽の感動が引き起こす「鳥肌」を共有できるデバイス

音楽がもたらす感動は計り知れないもの。人によっては、その感動が「鳥肌」を引き起こすこともしばしばあるよね。

けど、感性というのは人それぞれ。自分が鳥肌立つほど感動しても、それはあくまで個人的な体験にすぎず、一緒に聴いている人が同じ程度に感動しているかは分かるはずもない……。

ところが、そんな「個人的な体験」を、他人と“体感的に”共有しようとしている研究があるらしい。

慶應義塾大学の研究チームが開発したのは「Frisson Waves: Shareing Frisson to Create Collective Empathetic Experiences for Music Performances」というウェアラブルデバイス

鳥肌を検出するセンシングリストバンドと、誘発するための触覚ネックバンドの2パーツからなるもので、リストバンドがある人の心拍数と皮膚の電気活動(鳥肌)を計測し、ネックバンドが温度刺激によって他者へ伝えるという仕組み。

要するに他者の鳥肌を感知し、電気刺激によって直接鳥肌を引き起こさせる、というなんとも大胆なアイデアというわけだ。

テストでは、15人の被験者がネックバンドをつけて鳥肌が共有されるか計測。結果として、15人中11人が「鳥肌を意識的に体験した」と回答したそう。

確実にデバイスの影響と言えるか、さらにいえば実用性があるかは微妙だが、周囲の人と感動を体感として共有できる可能性を示唆する、おもしろい取り組みじゃないか。

© Embodied Media Project KMD/YouTube
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