沈みゆく土地に暮らす人々を描いた「パタゴニア」制作のドキュメンタリー映画

1本の長編ドキュメンタリーを紹介したい。

気候変動が私たちの世界の片隅でどのような影響を与えているか、あらためて知るきっかけを与えてくれる内容だ。

制作は、アウトドアブランド「パタゴニア」。

© Patagonia / YouTube
 
舞台は、ベーリング海に接する米国アラスカ州南西部の町ニュートック(NEWTOK)。極寒の地に暮らす先住民ユピクたちの現状を描いている。彼らはいま、故郷日々の暮らしを奪われる危機に直面している。
 
地球温暖化による異常気象により、住まいを追われる「気候難民」が、いま地球の各地に増え続けているのをご存知だろうか。
 
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調べによれば、2010年以降、気候変動関連の災害により住居を追われた人の数は、2150万人を超えるそうで、一説には武力紛争が原因で生じる難民のおよそ3倍にも及ぶそうだ。
 
話を戻そう。
 
温暖化がもたらした永久凍土の融解、それに伴う海面上昇、河川の侵食、そしてインフラの崩壊……。ユピクの人たちは、自分たちの文化コミュニティを維持するため、先祖代々受け継いできた土地を離れ、川上の安定した土地への移動に迫られていた。
 
そして、村の移転を決断した彼らはアメリカ初の気候変動難民となった。
 
故郷とは、団結とは、そして自分たちのアイデンティティとは?気候変動がもたらした抗いようのない事態と対峙する、ユピクの人々の信念が92分間の動画に凝縮されている。
 
地球温暖化、気候変動は肌で感じることができたとしても、地球の裏側で暮らす人々の生活にまで想像を巡らすことは簡単なことではないだろう。
 
だが、気候変動はこの星の上に暮らすすべての人々の課題。他人事をジブンゴトと捉える意識が、少しでも進行を遅らせる手立てとなるかもしれない。沈みゆく“故郷”を守るために。
 
2060年までに推定14億人が海面上昇により、住む場所を追われる可能性があるという。
Top image: © iStock.com/AndrisBarbans
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