「幸せな国」ランキング上位国が大量に消費している、あるモノとは……

「幸せ」になるために必要なもの──。それは、お金?健康?家族との時間?それとも、まったく違うモノかもしれない。

「幸福な国」常連国にいったい、なにが?

国連の「持続可能な開発ソリューションネットワーク」が毎年発表している、『世界一幸福な国ランキング』。そのトップは、6年連続でフィンランドが占めている。2023年の最新版では、その他の北欧諸国、デンマーク、アイスランド、スウェーデン、ノルウェーもランキング上位に名を連ねた。

これらの国は、「健康寿命」、「一人当たりのGDP」、「社会的支援」、「低い腐敗度」、「コミュニティ内での寛容さ」、そして「重要な人生の決定を自由に行える環境」といった6つの幸福度の指標において高い評価をされている。

しかし、ここで興味深い事実がある。

ランキングにおいて「幸せ」とされている国々の一部は、「抗うつ薬の使用量が多い」ということだ。特に3位のアイスランドは、OECD(経済協力開発機構)の抗うつ薬使用量ランキングではトップであり、もっとも抗うつ薬を使用している国といえる。

このことは、幸せとは何か、それをどう測るのか、そしてそもそも幸せを測ることなどできるのか、という問いを投げかけてくる。何を「幸せ」とするのかは、個々人の内面的な経験によるものであり、他人や社会が決めるものではない。

それでも「幸福度レポート」は、社会全体としての幸せを追求するための一つの指標にはなりうる。社会の幸福には、経済的豊かさだけでなく、公正さ、誠実さ、信頼、健康といった要素が大きく関わってくるためだ。

この視点から考えると、フィンランドが6年連続で世界一幸せな国に選ばれたことは、国全体がこれらの要素を重視し、それを実現するための取り組みを行っている証拠だといえる。専門家からは、幸福度を目に見えるかたちで測定することが、生活の質の改善を定量化する手助けになるという意見もある。

「幸福」とは、なんなのか?

ただ同時に、抗うつ薬の使用が多い国が「幸せな国」とされている事実からは、幸せとは決して一面的なものではなく、様々な要素が絡み合った複雑なものであるといえるだろう。

さて、あなたにとっての幸せとは一体何だろうか──。

こうした問いについて考えることは、自分自身の幸せを追求するための新たな視点を見つけることにつながるかもしれない。

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