世界で賛否が分かれる「バーベンハイマー現象」って?

米国で、新たな映画の楽しみ方が話題に。

バービー人形を実写化した映画『バービー』と、原爆開発に携わった物理学者の半生を描いた映画『オッペンハイマー』という、観客層が交わらないであろう2作品。米国では同日公開されることで反響を呼び「バーベンハイマー(Barbenheimer)」としてミームになり、社会現象化している。

コロナ渦から脱出したとはいえ、大作映画がイマイチ伸びず苦境が続くハリウッドにとって、上記2作品が記録的な人気を博したことは、映画産業が復活する大きなトリガーとなるはずだ。

さて、現地で大きなトレンドになっている一方、日本ではネガティブな盛り上がりを見せている一面もある。

それというのも、この現象に乗じてキノコ雲核兵器を用いたポップなミームやコラ画像が加速し、「バービー」の公式アカウントさえも好意的に乗っかってしまう事態が起きているのだ(現在はワーナーがバービー公式の投稿に関する謝罪文を発表)。

© DiscussingFilm /Twitter

多くの日本人が国内での公開を待ち望んでいるなか、多くの犠牲者を生んだ原爆投下という悲劇をネタにされてしまうのは、超えてほしくない一線を超されてしまった感覚が否めず、失望するファンも多い。

『バービー』の適切な対応、『オッペンハイマー』による原爆とは兵器であり、ネタではないことの意識づけを多くの日本人が求め、SNSでは「#NoBarbenheimer」の抗議デモが勃発している。

良くも悪くも各所で盛り上がりを見せているが、単体作品としても両作品は非常に評価が高く、特に『バービー』は2023年の公開日興行収入で現在ぶっちぎりの首位。

日本でも今後、真逆のジャンルの映画を“ハシゴ”して楽しむというブームは、はたして流行るのだろうか?

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