「見る」だけじゃない。今年の皆既日食は「聞いて感じる」ことができるらしい……!

現地時間4月8日、メキシコ・アメリカ合衆国・カナダ東部などで月が太陽を覆い隠す「皆既日食」が観測される。

NASAによれば、北米での皆既日食は実に約7年ぶり。該当地域に住む約3610万人は、歴史的瞬間を目撃しようと待ち侘びているようだ。

そんな皆既日食、じつは視覚障がいを持つ人でも「聞いて感じる」ことが可能になったことをご存知だろうか。

皆既日食って視認するのが醍醐味では……?いやいや。コレ、めちゃくちゃ幻想的なんです。

TED / YouTube

『TIME』誌が報じたところによれば、天文学者Wanda Díaz-Merced氏とハーバード大学の天文学者Allyson Bieryla氏の共同開発により、変化する光を音に変換する装置「LightSound デバイス」が誕生したそう。

太陽が明るいときは、高く繊細なフルートの音が響き、月が太陽を覆い始めれば中音域の音がクラリネットの音に変化。低いクリック音によって、暗闇の情景までも再現してくれるという。

同技術は、実際に盲目の障がいをもつwanda氏が2016年のTEDカンファレンスで星のデータを音に変換する技術を披露したことに由来しており、プロトタイプは前回(2017年)の皆既日食中に初めて使用された。

彼女は「空はみんなのもの。この技術が世界中で利用できるのであれば、視覚障がい者も利用できるはず」「自分の生徒たちに日食や星の声を聞かせてあげたい」とカンファレンスにおいて強調した。

2回目となる今年は、他の機関と協力してメキシコやアメリカ、カナダで日食イベントが開催される場所に少なくとも750台のデバイスを配布することを目標にしている。

瞳を通すことだけが唯一の楽しみ方と考えられてきた、皆既日食。

デバイスを通して耳に届く日食の「音」は、もしかするとこれまで以上に宇宙に対するロマンや妄想を感じられるかもしれない……。

Top image: © Willams Harking/Shutterstock.com
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