中世の修道士は、「寄生虫まみれ」だったらしい。ケンブリッジ大の調査結果

タイトルを見て「んなわけないでしょ!」と思った、そこのアナタ。

そう思うのも納得。だって、古くから修道士は“神聖で高潔な”存在であり、社会的にも恵まれた環境で過ごしていることが多いのだから。

ところが、最近公開された調査によると、中世の修道士は「寄生虫まみれだった」可能性が高いらしい。

ケンブリッジ大学の研究チームが、アウグスティノ修道院の土地から19人の修道士の遺骨を発掘。それらの骨盤周辺から土壌サンプルを採取したところ、58%もの割合で寄生虫に感染していたそう。

この数字は、当時の一般市民と比較して25%以上も高いものだそうで、研究チームも明確な感染率の違いを指摘している。

なかでも特に多かったのが回虫鞭虫。どちらも衛生環境が原因で感染する寄生虫だという。

でも、修道士は階級的には上位にあたる人々で、トイレや洗面設備を利用できる特権もあったはず。それなのに、なぜ彼らの方が寄生虫への感染率が高いのだろう?

可能性の一つとして挙げられているのは、菜園の肥料に人糞を利用していたこと。今では考えられないけど、中世では普通のことだったらしい。

まだ詳細は分からないものの、「トイレが利用できたこと」が原因だった可能性は高いとのこと。豊かな生活が、かえって病気の原因になるなんて……現代の都市生活とすこし似ているかも?

知って嬉しいかはさておき、意表をつく研究結果は興味深いものだ。調査が進むことを期待したい。

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