爬虫類と考えられていた化石が、じつは哺乳類のものだった。イギリスで「世界最古の哺乳類」が発見

「ロンドン自然史博物館」などのチームが進めている化石調査により、世界最古の哺乳類が発見された。

「発見」というよりも「発覚」の方が近いかもしれない。

というのも、調査の対象となっていた歯の化石は「進化した爬虫類のもの」として過去に採取されたものだったのだが、今回の調査により、じつは「哺乳類のものだった」ことが分かったのだ。

爬虫類の歯は生え変わり続けるのに対し、哺乳類は乳歯永久歯だけ。「Brasilodon quadrangularis」と名付けられたこの生物には乳歯と永久歯があったことで、哺乳類と断定したのだそう。

化石は2億5000万年前、最古の恐竜と同時代に生きていた生物のもので、これまで最古の哺乳類として確認されていたモルガヌコドンより2000万年も前だったという。

Brasilodonはネズミやモグラに似た姿をしていて、体調は20センチほど。恐竜が跋扈(ばっこ)していた時代に、穴を掘って密かに暮らしていたようだ。

世界最古の更新という大きな発見は、5年にわたって調査を続けるチームにとって「非常に重要」なものとして歓迎されているとのこと。

“歯の持ち主”をめぐってパラダイムが覆るとは……、進化の歴史はなんとも繊細なものだ。

今回の発見から、もしかしたら今後はもっと古い化石が「実は哺乳類のものだった」なんて事例も出てくるかも?

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