4000万年前から続くマスターベーションが、霊長類の進化のカギを握っていた【研究結果】

私たち人間にとって、マスターベーション=快楽目的という認識が強いだろう。しかし、学術誌『Proceedings of The Royal Society B』に掲載された研究によると、どうやら自慰は霊長類の進化のカギを握っていたらしい。

霊長類のマスターベーションの起源は、少なくとも4000万年前に遡るとのこと。なぜそんな昔から自慰が行われていたかというと、生物学的な3つのメリットがあったからだという。

まず利点としてあげられるのは、精子の新鮮さを維持するため。新しい精子は活発に動くことが多く、古い精子よりも卵子と受精できる可能性が高いとされている。古い精子を排出するための行為として、自慰が行われていたと考えられるらしい。

2つ目のメリットは、性感染症対策。交尾の際に尿道内に侵入した病原体を射精により洗浄するために自慰をしていたと考えられるんだそう。

3つ目は、弱いオスが子孫を残すためとのこと。弱いオスは、メスと交尾を始めても途中で強いオスに邪魔されて強制終了となることが多かったそうだ。そこで、弱いオスはメスにペニスを挿入すると同時に射精できるよう「早打ちの準備」として自慰をしていたと考えられるんだとか——。

つまり、私たちの祖先にとって自慰は単なる快楽を得るための手段ではなく、健康を維持して子孫を残すために欠かせない行為であったというわけだ。

私たち人間が存在できているのは、古より受け継がれてきたマスターベーションのおかげと言っても過言ではないのかもしれない——。

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