「推し」に生き、生かされる。MZ世代のお金事情

最近、「推し」を使った用語を当たり前のように耳にするが、「推し」を持つ彼らの「推し活」つまり、消費行動について「株式会社minor role」が調査を行った結果、興味深い真実が明らかになった。

そもそも「推し活」とは、アイドルや2次元のキャラクターのファン活動であり、 コアなファンたちが「イチオシ」のメンバーを「推しメン」と呼んでいたことに由来する。今ではより幅広いジャンルにおいてこの言葉が使われ、彼らの消費行動がマーケット的にも注目を浴びているようだ。

では、彼らは実際にどれほどのお金を推しに費やしているのか。

年代別:月に推し活に消費する費用
【平均1万6091円/月】

©株式会社minor role

グラフから、推しへの消費金額は年齢とともに高くなっていると伺えるが、これは収入などに影響されている部分もある。しかし深堀りした調査によると、25〜34歳はその他の消費を我慢してまでも推しに消費する意欲が高いらしく、「推し活」という明確な将来の消費を目的にして労働・貯蓄をしている事実も明らかに。

つまり「押し活」は、彼らの人生における趣味や楽しみのプラス要素ではなく、自分の一部、人生の一部と言えるのかもしれない。さらに、これらの購買活動は基本「推しのため」なんだそう。

推しを持たない人にとっては理解し難い行動かもしれないが、彼らにとっては、自分の生活に便益をもたらすかということよりも、その消費行動が推しのために役立つかどうか、ということが重要なようだ。

拡大する「推し活」に伴い、今後多くの企業が「推し活」を元にした顧客生涯価値を生み出していくことが予想されるが、そこにロジックはあるのだろうか? ひとつ明らかなのは、「推し活」は宗教でも洗脳でもなく、人間の脳だからこそ生み出された“「尊い」営み”であることを忘れてはいけない──。

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