衝撃……ハインツ「ピクルス味」のケチャップを作ってしまう

最近、風変わりな味を求めているスナックファンが増えてきている。その期待に答えるべく、米「ハインツ」社が新作ケチャップ「ピクルスケチャップ」を発表した。

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2024年初頭に発売予定の「ピクルスケチャップ」は名前の通り、トマトの酸味にさらにツンと鼻にくるピクルスのそれを掛け合わせた一品。ハンバーガーやホットドッグの新たなソースとして注目されている。いったい、どのような食体験になるのか、興味をそそられるシロモノだ。

そもそも、THE・アメリカンなメニューに欠かせない脇役のピクルスを、ソースではあるものの主役に抜擢するという斬新さ。相乗効果が生まれるか生まれないかはさておき、この斬新なアイデアに至る背景とはいかに?

求む!世にも珍しい“味覚体験”

決して、万人受けを狙っている訳ではないようだ。

ここ数年、スナック業界では変化の激しい消費者の興味や嗜好を引くため、奇をてらった商品開発が進んでいる。ブランド認知や話題づくりを意図するもので、売り上げに直結する戦略の一部となっているといっても過言ではないだろう。

それを裏付ける事例の一部を紹介しよう。

コカ・コーラ
AIを活用した新フレーバーを開発。3000年後の未来をイメージしたテイストで「Y3000」と名付けられた。

マース リグレー
驚きと絶望を与えることを目的につくられた「ゾンビ・スキットルズ」。腐った味がするという噂。

今回取り上げたハインツからは、以前、紫色をした「パープルケチャップ」なるものがリリースされたこともある。食欲はそそられないが……。

みんな、ピクルスに夢中!

では、なぜ「ピクルス」に目をつけたのだろう。

その実、ハインツは米国内最大のピクルス生産者でもある。数十年に渡り自社のロゴにもピクルスを用いてきた“縁”がある。

同社データによれば、およそ73%のアメリカ人が「ピクルスの味が好き」と回答しているそうだ。実際、いまアメリカの若者たちのあいだでは、ピクルスを丸々1本シート状のソフトキャンディ(「フルーツロールアップ」)で巻いて食べたり、細かく砕いたチップスを衣にしてピクルスを揚げるといった、さまざまなアレンジピクルス料理が大流行。TikTokで「#picklechallenge」として拡散されている。

@isabellahill_ I told myself I wouldn’t participate in the pickle challenge but here we are £30 later😭 #chamoypickle #picklechallenge #foryourpage ♬ original sound - Bella hill
© isabellahill_ / TikTok

日本人の感覚からすると、ピクルス熱の程度を計りかねるが、ハインツはこの「ピクルスケチャップ」や前述の「パープルケチャップ」といった革新的な商品開発により売上高20億ドル(約3000億円)規模を視野に入れているようだ。

斬新さの追求が今後の米スナック市場のカギを握っているのかもしれない。それにつけても、単純じゃ物足りない世の中、次のケチャップの味は、誰も予測できない……。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。