【Burning Japan】世界最強のフェス「バーニングマン」の日本版。その現場とは?

とても不思議で、とても自由なフェスだった。

フェスなのに、中心がない。ステージもなければ、売店もない。木で組まれた大きな不死鳥がシンボルのように浜辺に立っているけれど、そこにみんなが集まっているわけでもない。

集まってきた600人の参加者は、テントを立て、タープを張り、散歩をしたり、昼寝をしたり。とはいえ、単なるキャンプ場でもない。気がつけば、隣のテントのだれかが自分のタープに来て、一緒にビールをあおっている。盛りあがって音楽をかけ、踊ってる人もいる。

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夕暮れが近づいてきて、大きなウィングタープの下で火をおこした。羊肉を焼き、トマトスープを作っていたら、シャワーを浴びたという2人がタープにやってきた。「寒い!暖まらせて」。焚き火にあたってる二人に、スープと肉を提供する。しばらく話し込んでいたら、近くのテントのそばで5、6人ぐらいが集まって、わいわいと盛りあがっているのに気づく。「みんなであそこに合流しようよ」
気がつけば集まりは10人ぐらいに増えていて、知らない同士の自己紹介が始まった。着流しに日本刀を差したひとりが、「僕は居合抜きができる」とその場で披露してくれる。楽器を演奏しはじめる者もいる。

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そして時間が過ぎ、あちこちでさまざまな集まりが生まれ、ふたたび離れて別の集まりにつながり、気がつけば海辺のこの気持ち良いキャンプ場は、人々が集まり散じる「うず」のようになっていった。

これが9月中旬に開かれたBurning Japanというフェスのひとこまだ。

あなたは「バーニングマン」というアメリカのフェスを知っているだろうか。
バーニングマンは、1990年からアメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠でおこなわれているフェスだ。フェスといっても、ステージも売店もなにもない。中心にはThe Manと呼ばれる人の形をした木の像があるだけで、最終日にこの像は盛大に燃やされる。あとは参加者たちが自分で考え、音楽を演奏したり、パフォーマンスしたり、レイブを主催したり、さまざまなワークショップを開いたりと、自分たちが主人公となって自主的に盛りあがることが求められている。

おカネのやりとりはいっさいしないというのが、バーニングマンのいちばん大きなルールだ。みんながモノやサービスや心を分け合い、助け合う。そういうバーニングマンは、いまや7万人が参加する巨大なイベントになっている。

Burning Japanは、このバーニングマンにインスパイアされて2012年から開かれている。今年で3回目だ。まだ本家とくらべれば人数はまったく少ないけれど、だんだんと「バーニングの文化を自分たちでつくろう」という気概が盛りあがりつつある。これから日本のバーニングは成長し、さらに盛り上がり、大きな文化を作っていくという予感に満ちあふれている。

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この日本のバーニング文化をゼロからつくっていくのは主催者じゃない。これから参加する「みんな」なのだ。

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All photo by TABI LABO

佐々木 俊尚

作家/ジャーナリスト TABI LABO共同編集長
本家アメリカのBurning Manが形成する新しい文化への興味から、Burning Japan初参戦!

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