人生経験が豊富になるほど、頭の回転が遅くなるのはなぜ?
年齢を重ねることで低下すると考えられてきた認知能力ですが、実は情報過多で脳がフリーズしていた…、そんな驚きの研究が発表されたようです。
情報が多すぎて
脳の働きが間に合わない!
考えるべきことが多すぎて、フリーズ気味になることもあるものですが、実はお年寄りの脳の中でも同じようなことが起きているのだとか。
「WILEY」に掲載されている、独・エバーハルト・カール大学テュービンゲンのマイケル・ラムスカー博士率いる研究チームの調査結果によれば、知識や経験が蓄積すればするほど、認知能力に混乱を与えてしまうことがわかったそう。一般的に「人間の認知能力は成人後徐々に衰退する」と言われてきましたが、単純にそうとも言い切れないのだとか。
能力は変わってない
ただ、知識量が増えただけ
研究チームは、コンピュータープログラムを使って人間が日々物事を学んでいく過程をシュミレート。すると、データの量が人間の生涯分に達した時、プログラムの処理能力が"重くなった"ことを発見したのだそう。
つまり、データベースが大きくなればなるほど、より多くの情報を処理する必要が発生し、確認プロセスも増えるため、結果的に処理速度が低下。これが人間の脳にも当てはまるのではないか、という考えです。
誕生日2,000人分覚えたとしても
思い出すのには時間がかかる
動作が重くなった原因は、コンピューターの能力が低下したのではなく、処理を行うデータ量が増えたことによるもの。これは、誕生日は2人くらいまではすぐに覚えることができますが、2,000人ともなれば、たとえ覚えたとしてもどの人の誕生日がいつなのかを照合するのに時間がかかってしまう、という理論。
人生経験という名の情報が多くなればなるほど混乱も生まれやすくなるという今回の研究結果。知識を積んだだけ頭の回転が遅くなってしまうというのは、なんともジレンマを感じてしまう話ですね…。
Reference:WILEY