スタートに早いも遅いもない。経験や培った感覚は、きっといつか、活きてくるー林民子

日本に「エシカル」という言葉を先駆けて紹介し、より良い世界への歩み、社会貢献の一端を担う女性、林民子さん。「好奇心の赴くまま、自然の流れに従ったら今の私がいた」と語る彼女は、軽やかで温かい。
現在、新たなプロジェクトにも挑戦中。彼女の描く先にある、未来とは?

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林 民子/Tamiko Hayashi

海外ラグジュアリーブランドのPRを経て、2007年より社会貢献活動のPRやマーケティングに特化したNPO法人「ソーシャルコンシェルジュ」を主宰。フェアトレードのニット『SHOKAY(ショーケイ)』のジャパンオフィス代表、エシカルを追求したマガジン&ショップ『DGBH(Do Good,Be Happy!)』を運営。

現在、真のジャーナリズムをテーマとしたスタディツアーのため、クラウドファンディングを『Makuake』で実施中。- 詳しくは、Makuakeのプロジェクトページにて -

 

 

001.
ないなら、自分で作り出せばいい

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環境に配慮し、社会貢献にも根ざしたファッションやライフスタイルを提案している林さんは、TABI LABOが注目している女性の一人。前職は、ラグジュアリーブランドのPRで、2007年に起業された当時は、社会の雰囲気も今とは少し違ったと想像します。そんな状況下で、なぜNPO法人「ソーシャルコンシェルジュ」をはじめられたのですか?

Answer

「こうなりたい」と明確な目標があったわけではなく、気がついたら、そうなっていたという感じです(笑)。

そもそもPRという職業は本質を見極め、その物の特徴やストーリーを伝えるのが仕事。自分が良いと思うコト、モノ、ヒトを誰かに伝える作業は私にとって天職と思えるものでしたが、その活動の中で、ファッションと社会貢献という違ったミッションの架け橋になりたいと感じる機会が何度か訪れたんですね。一番のきっかけは、プライベートで注目していた授産製品(障害を持つ方が働く施設で作られる商品)の良さをより多くの人に届けるにはどうしたらいいのかな?という思いでした。『VOGUE』で編集者をしている姉に相談したところ、浅葉克己さんや秋山具義さんなど一流クリエイターの協力も得られ、当時の編集長のご理解もあり、6ページの特集を組んでもらえました。その動きは誌面だけにとどまらず、東京デザイナーズウィークでブースを無償提供いただき、クリエイターとのコラボ商品も展示販売することにもなったんです。

このプロジェクトを機に、ファッションと社会貢献を融合させた新しい取り組みをやっていこう!とソーシャルコンシェルジュを誕生させました。

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ないものを自分で作ろう!という発想と行動力がスゴいですね。躊躇することなどは、まったくなかったんですか?

Answer

常に私の“意思”を尊重してくれる親に育てられたので、小さい頃から、自分が良いと思うことを迷うとか躊躇するとかはないんですよね。高校時代のアメリカ留学からはじまり、バックパッカーでの世界一周旅行したり、語学のスキルを活かして、インド政府観光局で働いたり、韓国・大田(テジョン)国際博覧会の日本館で、英語と日本語の通訳を担当したり、ロンドンでフランス語を学びながら、時々日本のファッション誌のコーディネーションをしたり、ファッション誌編集部でフランス人副社長のパーソナルアシスタントをしたことも。様々な経験が今につながっているんだと思います。

 

 

002.
生の情報を得ることほど、貴重なものはない

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本当にいろんな経験を重ねてこられたのですね。そんな林さんの新プロジェクトが、僕もいつもチェックしているクラウドファンディングサイト『Makuake』で資金調達を目指している真っ最中と聞いて気になっていました。「エシカルジャーナリストの卵を育てる!チベット族のサステナブルな生活を体験する旅」とリリースにはありますが、具体的には?

Answer

まず、このプロジェクトは『ビジネス・ウィーク』誌で「世界を変える100人の社会起業家」にも選ばれた「SHOKAY(ショーケイ)」との共同企画です。「SHOKAY」は、ハーバード大学ケネディスクールの学生たちが、中国少数民族の貧困問題をソーシャルビジネスで解決したいと2006年に立ち上げたニットブランド。ヤクの毛糸のなかでも最上級のものを使用した商品を展開していて、国内外のフェアトレード商品の中でもクオリティとデザイン、そのバランスが抜群です。ひと目で惚れ込み、ジャパンオフィスの代表は私が務めています。

そんな「SHOKAY」と縁深い中国青海省でチベット族の伝統的な生活、そしてSHOKAY のソーシャルビジネスのしくみを魅力的にかつ正確に日本の人たちに伝える経験を通して、問題解決に必要な視点や思考の習得、世界に発信できる真のジャーナリズムを養う―—というのがプロジェクトのテーマです。

現地では、ライフラインなど不自由がある一方、チベット族の宝であるヤクという動物の資源を大切に有効活用し、自然と共生する、モノが少ない分心豊かな彼らの暮らしを体験し、感性を磨いていきます。やはり、見聞きするのではなく、自ら体験して得る“生の情報”が、大事ですよね!

なぜ、エシカルジャーナリストなのかは、「何が問題で、それを解決する方法論はどんなものか、かつそれをみんながサポートする方法とはどんなものなのか?」に、より着目して欲しいからです。

私にとってクラウドファンディングで資金調達をするということははじめての試みです。一人でも多くの人にこのスタディツアーを知ってもらいたい、参加はもちろん応援というカタチも出来るクラウドファンディング『Makuake』は、まさにぴったりだと実感しています。

 

 

003.
客観的な視点、伝えるスキルこそ、世界を変える力になる

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そのスタディツアーによって、真のジャーナリストが育つと、社会にどういう変化が起こるのでしょう?

Answer

もちろん当事者が伝えることも大切です。しかし客観的立場から第三者の視点で世の中に伝えることで、公平性や説得力が増します。あと、日本には隠匿の美という姿勢も少なからず根強いせいか、良い行いを自らが発信、紹介することに対して、発信する側も受け取る側も抵抗感を感じる人がまだまだ多いですよね。欧米では、誰もがオープンなのに……。やはりメディアの力というか、現場で真実を的確に取材できるスキル、そして受け取る側が自然と共感できるクリエイティビティを兼ね備えた問題意識の高い社会派ジャーナリストがもっと必要だとおもいます。例えば、東日本大震災後の福島の現状など、「伝えにくいことも伝えられる」という風に。そういう人たちが増えることこそ、より多くのソーシャルビジネス、NPOなどの成長スピードを加速させると期待しています。

 

 

004.
相手を想う。ピュアで真剣な気持ちが奇跡と、ステキな循環を起こしてくれる

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成熟したジャーナリズムを目指していらっしゃるのですね。林さんが心掛けているグッドアクションってありますか?

Answer

子どもの頃から一日一善、小さくても良いことをし続けたら、いったい何が起こるんだろう?と漠然と思っていたことがあります。NPOを設立以来、毎日それを実践することを思い立ちました。自己満足かも知れないですけれど、いろんな善行を行ってきて、どうなるのかなとワクワクしていた矢先・・・なんといきなりガン宣告を受けちゃった訳です!

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エッ、いい話しが訪れるっていう展開じゃないんですか!?

Answer

たまたま健康診断を受けたら、再検査の結果が!紹介された病院での診断は「ガンです。全摘(出)してください」。しかしベッドの空きがなく、手術は数ヶ月後。猶予ができたので、知人の紹介で別の病院でも受診したところ、切らなくても大丈夫とおっしゃる先生に出会えたんですが、ここも手術は数ヶ月待ちという状況・・・。

それならばと、進めていたSHOKAYの3つの東北支援プロジェクトに全身全霊で集中したんです。プロジェクトも無事に終わり、残りの1ヶ月間は仕事を一切やめ、ありとあらゆるとう東洋医学を試してみました。そして手術直前に再度検査を受けたら、なんとがんは消えていました。主治医は「ありえない!」と驚いていましたが、とりあえず検査手術を受けましたが、見つかったのは“ガン”ではなく、“異形成”でした。

今も思うんです。被災地支援に没頭し、外に気持ちをフォーカスしていたことが、自分を救うことになったんじゃないかと。

内に向かって悲観的になっていたら、こういう結果はなかったと思います。それから、ガンと言われたことで、自分の命や人生を深く考えるチャンスとなりましたし、自分の人生にとって大切なことを本当に大切だと深く感じる体験は、病気にならなければできなかったことです。今後は、こういった経験も活かし、ガンとの新しい向き合い方も伝えていければ、と思っています。

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なんだか、林さんが尼僧みたいに見えてきました(笑)。最後に、これからの世代、とくに女性へのエールもお願いします!!

Answer

私は37歳で起業し、そして今は独身です。結婚して子供を育て家庭を築くこと、もちろんそれも一つの幸せの形。しかし、それだけが女性の幸せではありません。日本の社会では、ちょっと珍しいタイプだと思います(笑)。が、私は、ステレオタイプな思考やものの見方にとらわれない生き方を心底楽しんでいますし、とても幸せです。だから、でしょうか。多くの方々に、もっと自由になって欲しいと思います。

マザー・テレサが修道院を飛び出し、スラム街に住み始め青空教室をスタートしたのも37歳。決して、遅いなんてないし、自分が良いと思うことは自信を持ってやり続ければいいんです。もっと多様な価値観、多様な生き方があっていいと思うし、それをお互いに認められる世の中になれば、もっとみんな幸せになれるのではないでしょうか。

 

 

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