盲目のアーティストが心の目で描く「動く絵」。ただ、じっと見てしまう

アメリカに暮らすアーティストGeorge  Redhawkさん。彼の画法は、絵が動き続けるgifアニメーションを駆使した「モーフィング」と呼ばれるもの。

際限なく動き続けるこれらの絵は、美しくもどこか不思議な焦燥感をまとい、ただいつまでも眺めていてしまう。じつは彼、視力がほとんどないそうだ。

見えなくても、
感じることはできる

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突然の視力喪失がGeorgeさんを襲うまで、彼はX線技師をはじめとする医療現場で働いていた。失明とともに職を失い、リハビリに4年間の月日を要した。彼は言う。

「絶望の淵にいたけど、目から入る情報が、必ずしも信頼に足るものではないことに気づいたんです」

そして、視覚に残る記憶を辿るように、彼の作品作りが始まった。視覚補助機能のあるコンピューターやソフトを使うと、動くものと動かないものの区別がつくんだそう。Georgeさんは失った視力の代わりに、想像力を働かせながら、「見える世界」をモーフィングにより表現する技法を手に入れた。

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失った視力の代わりに
手に入れたインスピレーション

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「視力を失ったことが、皮肉にも自分にインスピレーションを与えてくれた。見えない部分を想像で補おうとするとき、芸術性が表れるのでしょう。自分は視力を失うことで、インスピレーションを授かったんです」

これを「心眼」と呼ぶのだろうか。盲目のアーティストが捉える世界が、この不思議で独創的なモーフィング作品集「The World Through My Eyes」の中にある気がしてならない。Georgeさんの他の作品はこちらから。

Licensed material used with permission by George RedHawk
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