東京の少し先にある街、ロンドン -白木夏子-

ロンドンに対する印象は「東京の少し先にある街」。

2002年から2005年までロンドンに住んでいたのですが、その時に「ああ、これが日本にもあったらいいなあ」と感じるプロダクトがたくさんありました。

ロンドン滞在中は学生の傍ら、とある会社のマーケットリサーチャーとして仕事をしていました。その時に定点観測していたものが、3年後、5年後、10年後に、日本に上陸してきています。

フェアトレード認証のついた
プライベートブランドの「チョコ」

たとえば大手スーパーのプライベートブランドによるフェアトレード製品。イギリスには高級志向の「Waitrose」や庶民派の「Saintsbury’s」、低価格の「TESCO」といったスーパーがありますが、どのスーパーにもプライベートブランドでフェアトレード認証のついたコーヒーや紅茶、チョコレートが展開されていました。

日本ではイオンが2015年にアジア初、プライベートブランドでのフェアトレード認証チョコレートを発売しています。

かくいう私が大いにインスパイアされたエシカル(倫理的・人や社会、自然環境に配慮したもののことを指す)な製造過程を踏んだファッションブランドやジュエリーブランドも、小規模ではありましたが、ロンドンにいくつか存在していました。これについては、2009年に「HASUNA」がジュエリーブランドとしては日本で初めて展開しました。

オリンピックをきっかけに
食と健康への意識に変化

昨年足を運んだ際にも、まだ日本にはなくてロンドンだけにあるものがたくさんありました。とくにヘルスコンシャス(健康志向)でオーガニックな食品類は、私が住んでいた頃と比較すると随分増えていて、ロンドンオリンピックを境に食と健康に対する意識はかなり高まったなあ、という印象。

現地の人の話によると、イギリス人シェフのジェイミー・オリバーさんがかなり貢献したようです。

ロンドンオリンピックは2012年に開催、東京も2020年に向けて様々なところが変化している最中だと思いますが、これから日本で起こること、そして流行るものを見つけるのなら、ロンドンに行くと少し先が見えるのかなと思います。

ロンドンで
気になったのがこの3つ

01.
ココナッツヨーグルト

すでに東京にも入り始めていますが、まずひとつめは「ココナッツヨーグルト」です。スーパーや、プレタ・マンジェという健康志向が高めのカフェチェーンで気軽に購入できました。乳製品を使用せず、植物性のもののみ使用されているので、動物性脂肪を避けたい方にはぴったり。味もさっぱりしていておいしいです。

02.
おいしいサラダのランチボックス

ランチは軽めにサラダで済ませたくても、なかなか東京では表参道や六本木などの一部地域を除いて、フレッシュでおいしいサラダのお弁当が手に入りづらいかなと思います。炭水化物も摂りたくないし、お肉も食べたくない、という時に、大きなサラダのこんなランチボックスが東京のコンビニなどで手に入るようになって欲しいなあ、と心から思いました。できればオーガニックで…。

03.
罪悪感フリーのスイーツ

たとえばカフェひとつとってみても、ロンドンにはグルテンフリー(小麦粉などのグルテン不使用)のブラウニーや、白砂糖不使用のお菓子、スーパーフードを使用したプリンなどが多く、ヘルスコンシャスな食生活を送るのに選択肢がとても多いと感じました。スタバにさえゴジベリーとチアシードを使用したスイーツがあったのは驚きです。日本でも徐々に砂糖不使用のお菓子などが増えていますが、まだまだこれから、というところだと思います。

このような話をすると、食品業界の関係者の方からは

「結局コッテコテの高カロリーの甘い粉もん(パンケーキとかエッグタルトとか、小麦粉と白砂糖、卵をたっぷり使ったもの)がいつまで経っても人気だからねえ」

と言われてしまいますが、ロンドンの状況を見ていると意外とそうでもないのかもな、と少し希望を持っています。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。