「VRでの殺人」は、人生を狂わせるかもしれない。

「VR元年」と呼ばれた2016年、当時は新しい情報が入るたびに何かと盛り上がっていたけれど、『Play Station VR』が販売されてからすでに1年。テレビでも見飽きるほど放映されたこともあって、もはや身体が投影されるだけでは騒がれることもなくなった。

ジェットコースター体験のような単なるエンタメより、注目されたのはやっぱりポルノ。だけどそれも通り越して、触覚まで取り込んだ技術開発がすごい速さで進んでいる。

映像に合わせて風を感じたり、物を持ち上げる動作をすれば、重さまで感じられるようになるのだ。漫画『HUNTER×HUNTER』で、体ごとゲームに入り込むストーリーがあったけれど、VRはもはやファンタジーとリアルの境界線を曖昧にする存在に思える。

だからこそ、こんな懸念が出るのも当然なのかもしれない。

「VRでの殺人は、違法にするべきだ」

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VRの没入感はもう、「たかがゲーム」と言えるような次元を超えている。2Dの世界ですら、「残虐的な映像は、少年犯罪を増加させる。攻撃的な人格を形成する」。とさんざん言われているのに、触覚まで加わった仮想現実で殺人を犯すとなれば……。

いち早くその危機感を抱き、「VRの殺人は違法にするべき」と警鐘を鳴らし続けているのがベルリンの作家Angela Buckinghamさん。

彼女がこの記事を公開したのは2016年11月のこと。海外メディアでは、1ヶ月も経たないうちに注目を浴び、数多くのメディアが拡散をした見解だった。

彼女はこれらの研究結果・論文をもとにして、
危険性を訴えている。

オハイオ州立大学の心理学者チームの研究によると、1日に20分、3日間暴力的なゲームをプレイした学生は、プレイしなかった学生よりも攻撃的になり、共感的ではなくなる。

ワシントン海軍工廠銃撃事件、サンディフック小学校銃乱射事件、ノルウェー連続テロ事件などの銃乱射事件の犯人は、異常なほどのゲーマーであることは珍しくない。

人工装具が実際の手であるように感じられるところまで、すでに技術は進歩している。

ドイツの哲学者Thomas Metzingerは、「仮想の具現化によって、精神病を引き起こしたり、あるいは長期間離れていた後にリアルに戻ったとき、疎外感を覚えたりする危険性がある」と、警告している。

リアルとバーチャルの完全な同一化が個人の中で起きてしまった結果、どうなるかは未知である。

仮想環境内にいる人々は、自分のアバター(分身)の期待に従う傾向がある。

スタンフォード大学の研究者たちが行った調査によると、より魅力的なバーチャルキャラクターを持つ人々は他の人々とより親密になり、背の高いアバターを割り当てられた人々はより自信を持って積極的に交渉にあたったことがわかっている。

Angela Buckinghamさんは最後に、こう結論づけた。

人間は体現された存在であり、考え、感じ、知覚し、行動することが、「リアルだ」という認識に結びつくことを意味している。ヴァーチャルにおける行動が、現実に影響する危険性は大いにある。さらに、どれほど影響を及ぼすのか、正確な予測ができないのだから、仮想殺人は違法にしておくべきだ、と。

期待は、不安もつれてくる。

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今年9月21、22日に行われた『TOKYO GAME SHOW2017』では、<触覚で進化するゲーム体験>と題されたセッションが実際にあって、感動する反面、怖さも抱かずにはいられなかった。

テレビゲームやYouTubeが、職業の幅、子どもの夢を広げたことはまぎれもない事実。エンターテイメントのクオリティが上がることを、簡単に「悪」だなんて誰にも言えないだろう。

それでも、Angelaさんの記事が2、3ヶ月前から、日本でも急激にメディアに取り上げられるようになった経緯から察するに、VRに潜む未知の不安や恐怖を、リアルに抱き始めた人が増えた証拠でもあると思う。

「殺人体験は違法であるべき」という意見に、あなたは賛成しますか?

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