富士山に魅せられて人生が変わった男が撮る「Mt.Fuji」

人生が変わるきっかけは、あまりにも突然訪れるかもしれません。

Mt.Fuji photographerの成瀬亮(なるせりょう)さん、彼は以前まで「どこにでもいる普通のサラリーマン」だったといいます。転機は4年前。夏休みに行った山中湖で「富士山」に魂を揺さぶられ、そこからは写真を撮る日々。今では数々の賞を受賞するほどの腕前です。

 彼にとって、人生を変えた「富士山」とは、どんなものなのでしょうか?彼がこれまで撮ってきた写真とともに紹介します。

銭湯、新幹線。
 そこからだけではもったいない

——富士山がきっかけで、どんな風に人生が変わったのでしょう?

成瀬:いわゆる普通のサラリーマンでした。“普通”から逸脱しないように周りに合わせることが多く、他人からどう見られるかを気にして生きていたように思います。

4年前、自分の意思で一眼レフを手にして、はじめて富士山を撮影しました。今までのイメージとは全然違う情景に、一瞬で虜になりました。「ファインダー越しの富士山を通して、どれだけの感動を味わうことが出来るだろう」それが今後の人生のテーマであり、財産だと思うようになりました。

 

 

——4年前にはじめて撮影した富士山、どんなところに惹きつけられましたか?

成瀬:はじめて撮影した富士山は、山中湖からでした。いつもなら布団で寝ているはずの日の出の1時間前に到着しました。まだあたりは夜明け前で、うっすらと明るんできたくらいです。日の出が近づくにつれて、表情が刻一刻と変化していきました。今まで自分が知らなかっただけで、人生の中にはこんなにも素晴らしい時間と光景があるのかと驚かされました。

 

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4年前、山中湖にて。「初めての赤富士」

成瀬:富士山はただそこに在るだけです。しかし、自然の環境が変化することで、表情が変化するということを確かに体感しました。直感的にも「もっともっと色々な富士山の表情が見たい!」と思い、運命を感じました。

 

 

——成瀬さんのWEBサイト上に「世の中には、この目で見る光景よりも感動的なものがある」とあります。目とカメラの違いはなんだと思いますか?

成瀬:目で見る光景は一瞬しか切り取れません。カメラの場合、設定を変えることで、ある程度被写体を意図的にとらえることが出来ます。

例えば夜の富士山。三脚で構え長時間シャッターを開放することで、真っ暗な真夜中でも幻想的な光景を一枚におさめることが出来ます。また、日の出の1〜2時間前は、人間の目では変化に気づきませんが、カメラを通すと美しい空のグラデーションを撮影出来ます。

今まで、自分が見たことのない光景を撮影出来る喜びは格別で、どんどんのめり込んでいきました。

 

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【目の前は夜景とうっすらと富士山が見える位。カメラの写し出す夜の幻想に感動した】
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【雲上の夜明け。澄んだ秋の空気の匂いが忘れられない】

 

 

——成瀬さんにとって、一番撮りたい富士山とは?

成瀬:抽象的ではありますが、現時点で自分が想像すら出来ていない富士山を撮りたいです。富士山は天気、風向き、湿気、雲、太陽、月など様々な要因で表情を変えていきます。真剣に向かい合うことで見えてくる新しい世界を常に探求しています。

 

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【嵐の中、憧れの聖地にて。想像を超える迫力。圧倒されない様に気合いを入れてシャッターを切った】
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【夏の夜。登山者がてっぺんを目指す中、富士山頂に月が舞い降りた】

 

 

——どんな人と「富士山の感動」を共有したいですか?

成瀬:日本人ですかね(笑)

富士山は日本の象徴であるにも関わらず、ほとんどの日本人が思い描くのは、銭湯の富士山や新幹線から見える富士山なのではないでしょうか。

富士山は、きっともっと幻想的な存在であると思っています。写真を通してそれを発信し続け、私が感じた驚きと感動を一人でも多くの人に共有していきたいですね。

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【人間界の営みと富士は宇宙へ連なっている。天の川の輝きはカメラマンを虜にする】

 

——ずばり、成瀬さんにとって「富士山」とは?

成瀬:感動の源です。

僕が真剣に富士山を追いかけてたったの数年ですが、すでに数えられないほどの感動をもらいました。大切な心の宝物になっています。

 

Licensed material used with permission by RYO NARUSE
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