正月にぴったりのおめでたいポタージュ

毎年冬になると、ポタージュスープが飲みたくなるのは私だけではないだろう。今回ご紹介するポタージュの主役は、コーンでもかぼちゃでもなく、くわい。そして、くわいでできたポタージュスープは、じわじわと、“正月に飲む用”としても注目されつつあるというのだ。

伝統的なんだけど
あまり知られていない普段のくわい。

そもそも、くわいはご存知だろうか?

くわいは水田栽培される伝統野菜。にんじんや大根などの馴染みのある野菜とは少し違っていて、全国的には「おせち料理」以外ではあまり見かけることがない。逆に、なぜおせちに重宝されているかというと、実から立派な芽がでることから“芽ガデル”縁起物ということなのだ。

ほんのり甘くて、
ちょっとほろ苦い。

「くわいぽたーじゅスープ」は、くわいの生産量日本一の広島県福山市で、規格外くわいの行き場問題を解決すべく生まれた。“せっかくのおいしい地元食材を無駄にしたくない”と立ち上がった地元企業「ぬまくま夢工房」が試行錯誤(クッキー、豆菓子など試作品は数多い)し、たどり着いたのが、くわい特有のほろ苦さがほどよく生きたポタージュスープだったのだ。結果として、くわいが抱えていた悩みが解決し、正月以外にも市場に出回ることとなった。「くわいぽたーじゅスープ」が、福山生まれの創造性あふれる産品として、福山ブランド認定第一号となるのも納得だ。

 

冒頭でもふれたように、「くわいぽたーじゅスープ」は、「正月におせち料理と一緒に飲みたい」という理由で売れていくことも多いんだとか。私も率直に、昔からの名残を感じつつ正月に飲みたいスープだな、と思ったりした。けど、おいしい(そして、まだまだめずらしい)くわいを、日常的に気軽に味わうのが、これからのよりよい楽しみ方なのかもしれない、とも思った。縁起にあやかるのは正月以外でもなんら問題ない。

Licensed material used with permission by ぬまくま夢工房
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。