【研究結果】瞑想は日常生活の切り替えに役立つ

瞑想が脳の働きにいい影響を与えることは、実践者の間では周知の事実であるし、近年の多くの研究が証明している通りだ。

そして、また新しい研究が具体的なデータを示してみせた。

「ニューヨーク州立大学ビンガムトン校」が誇る名学部、トーマス・J・ワトソン応用科学研究科による研究では、2ヵ月間にわたる瞑想の習慣が脳にどのような影響を与えるのか、学部の生徒10人の脳パターンを追跡。

瞑想に関しては、同校で瞑想の授業を教える指導者のワインシェンク氏のもとで指導がおこなわれ、週に5回、10分、または15分間の瞑想を継続することを指示されたという。

その結果、瞑想によって、脳に存在する大規模ネットワークのうち、「デフォルトモード・ネットワーク」「背側注意ネットワーク」の2つのつながりを強化し、より迅速に切り替えられるようになることが研究で示された。

「デフォルトモード・ネットワーク」は、脳が目覚めているが、外の世界に注意を向けていないときに活発になり、「背側注意ネットワーク」は、何か注意を要するタスクを実行しているときに活発になるとされている。

つまり、瞑想を実践することは、日常生活におけるオンとオフの切り替えに大きく貢献するということだ。

研究を共同で率いた魏英大助教は「この研究結果により、瞑想の科学的根拠についてかなり確信しています」とコメント。

さらに、アルツハイマー病自閉症が前述した脳のネットワークとの関係が深いことから、それらの問題の軽減につながるのではないかと将来の研究予定を立てている。

また、興味深いことに、ワインシェンク氏は「チベットの人々の間には、“簡単に状態を切り替えることができる”という言葉があります。彼らはそれを精神的柔軟性と呼んでいます」とのコメントを残している。

これは瞑想が身近なチベットの人々が、日頃からこのような恩恵を受けていることを示しているのかもしれない。

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