「バレンシアガ」Twitterアカウントを削除

今度は言論の自由──。

相変わらず、「ケリング」傘下のブランドは社会情勢への反応が早い。

先日、「バレンシアガ」が100万近いフォロワーを持っていたTwitterの公式アカウント削除した。公式の声明は発表されていないものの、イーロン・マスクによる買収を受けてのことと噂されている。

マスクが買収してからTwitterでは大改変が進んでおり、特に彼が主張している「言論の自由を推進する」方針は非常に賛否両論。サービスの検閲が弱まることで、ヘイトスピーチ誤情報といった悪質なコンテンツが出回ることが懸念されているのだ。

この方針をめぐっては、あのジジ・ハディッドが「リーダーが変わってから、このプラットフォームは偏見や憎悪に溢れた場所になってきていて、居心地がいいとは思えない」と語り、アカウントを削除したのも記憶に新しい。

また、米「ゼネラルモーターズ」や英「ダイソン」などの有名企業が相次いで広告掲載を中止し、反対の姿勢を見せている。

Instagramが宣伝の主力媒体であるファッション業界にとって、いまやTwitterの重要性はあまり高いものではない。その中でも、デムナ・ヴァザリアの斬新な取り組みによって数々のバズを生んできたバレンシアガのアカウント削除は、業界からの“答え”なのかもしれない。

ちなみに、同じくケリング傘下のブランドである「ボッテガ・ヴェネタ」は、昨年にすべての公式SNSアカウントを削除し、独自の新フォーマットをローンチしている。

「グッチ」ではNFTメタバースを取り入れたプロジェクトが進んでいたり、「アレキサンダー・マックイーン」はインスタ上で積極的にスタジオの様子を公開する等、同社のブランドはそれぞれの方向性からデジタルへのアプローチを行っているようだ。

不動のものと思われていたSNSの運用方法だが、ケリングのように独自のアプローチを図る企業は増えていくのかも。新たな可能性の開拓に期待したい。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。