今、ヒマラヤ山脈の“大先輩”が絶滅の危機に瀕している

ヒマラヤ山脈に自生する世界最古のコケ植物である「タカキア」が気候変動により絶滅の危機に瀕しているとの研究結果が、英ガーディアン誌にて掲載された。

タカキアは約3億9千万年前から生息しており、進化速度が非常に速い種のひとつだ。しかしそんなタカキアも近年の異常気候には参っている。現地で環境調査を行った専門家たちは、タカキアとその生息地に気候がどのように影響を与えているのか初めて分析。その結果、どうやらタカキアはDNAを自己修復し、過酷な気象条件下でも紫外線のダメージから回復できるように進化していたようだ。

しかし、温暖化により氷河が溶け、タカキアはこれまで以上に紫外線にさらされるようになっている。専門家の見立てでは、21世紀末にはタカキアの生息範囲はごく僅かなものになっている可能性が高いという

彼らは、人為的にタカキアを生成し、自然に移植するなどして種の存続への有効案を画策している。

毎日クーラーの恩恵を受けて生きている私たちですが、どうもタカキアはそうもいかないようです……(まあ、私たちからしたらチベットは極寒で逆に耐えられそうになさそうですが)。

人間お得意、“種の保存”という名の品種改良がここでも試みられているようですが、人類の技術で私たちより遥かに大先輩で地球を熟知している「先輩コケ」を救うことができるのなら、技術の進歩は凄まじいものだな……と感じます。

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