これを「読解」すれば、アナタはきっと、環境問題の虜になる

深刻化の一途を辿る地球温暖化や気候変動。

解決に向けた取り組みは多様化し、今や斬新な切り口や視点から進むプロジェクトも少なくない。

そのうちの一つとして、ある大学には「文学」を通して環境問題について考える授業が存在するらしい。

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このユニークな切り口のプログラムは、米オハイオ州のジョンキャロル大学で開講されている「気候変動文学(Climate Change Literature)」というクラス。

文学作品を通じて気候変動についての洞察を豊かにし、人々の関心を喚起することを目指しているといい、授業では古典文学から現代の作品まで、さまざまな文学作品を扱う。

気候変動をテーマにしたフィクション作品や環境問題を扱った作品も含まれ、従来とは異なる視点から気候変動についての考えを探究している。また、学生たちが文学作品を研究し、見解や解釈を発表することもあるそうだ。

このプログラムの興味深い点は、文学を通じて気候変動についての啓発を図るだけでなく、「新たな視点」を提供していることだ。

文学作品は現実を反映したものであり、さまざまな背景や文化的な側面を含んでいる。そのため、作品への理解を深めることは文学的な教養や知性が身につくだけでなく、異なる視座からの考えを促進することにつながるのだ。

気候変動という重要な社会問題を、文学という芸術形式を通じて探究することは、今までにない新しいアプローチと言えるだろう。

環境問題の専門メディアである『one green planet』は、このクラスを「文学が持つ物語の力、すなわち“共感”を通じて、気候変動の重要性を伝える独自のアプローチである」として高く評価している。

気候変動に対する意識を広めるためには、科学的なデータや政策だけでなく、感情や共感を通じて人々に訴えることが重要だ。文学はその点で非常に強力な手段であり、気候変動への理解を深めるために役立つものでもある。

文学や芸術を通じて、私たちの未来について考え、行動するきっかけを与えることができれば、より持続可能な社会の実現に近づくことができるかもしれない。

気候変動をテーマにした文学と聞いて、私は池上永一さんの『シャングリ・ラ』が思い浮かびました。皆さんはいかがですか?

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