自然災害からの避難「気候ヘイヴン」ってなに?

『Forbes』誌が昨年、アメリカ人読者に対し「2024年に引っ越しを検討する、その理由はなにか?」との内容で調査を実施。結果、回答者の1/3が「天候の悪化」を理由に挙げたそうだ。

毎年のように大型ハリケーンや旱ばつ、山火事といった自然災害に頭を抱えるアメリカ。2021年には、日本円にしておよそ8兆4000億円規模の物的損害を被った。昨年は熱波の影響からか、北米各地で山火事による甚大な被害が続いたことも記憶に新しい。

こうなると、いったいアメリカのどこが気候変動から免れるエリアと言えようか。

かの国では「Climate Haven(気候ヘイヴン)」と呼ばれる、環境による影響が比較的少なく住みやすい土地を指す新たなワードが登場したようだ。「haven」これを避難先と捉えるのか、安息の地と考えるかはさておき。

その気候ヘイヴン、代表地に挙げられているのがミネソタ州のDuluthやミシガン州のAnn Arbor。五大湖位置する両都市は、水源も豊かで夏は比較的冷涼で温暖。ハリケーンの影響も比較的少ないエリアだという。

気候変動による影響やリスクを政府当局がまとめた報告書「The Fifth National Climate Assessment」によると、こうしたエリアは相対的に安全な場所と位置付けることができるようだが……。

気候変動に対する地域の安全は、国、自治体が推進する都市計画とも大きく関わってくるはずだ。洪水被害に見舞われてきたオクラホマ州タルサは、排水システムを見直すことでリスク軽減に成功した例もある。

大きく変わりゆく自然を前に、国が、社会が、そして個人がどう向き合っていくのか。「Haven」を「Heaven」に変える努力は、全人類の課題ということには変わりない。

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