アリエナイ・・・外国人が未だに信じる、日本人への「誤った解釈5つ」

外国人から見ると、日本の文化や習慣はとてもユニークに映るようです。それは、今に始まったことではありません。「なに?その都市伝説」と思わず突っ込みたくなるようなことが、今日でもまことしやかに信じられている!?

『日本人だけが知らない日本のうわさ』より、オドロキの誤解をご紹介。

誤解その1:
日本人は…ペットショップに
「肉」を買いに行く?

まず、食文化から見ていきましょう。アメリカで60年代頃に流布したこのようなエピソードがあります。

ある日、ニューヨークのペットショップに日本人の親子が犬を買いにきた。店員は一番かわいい犬を出すと、日本人の親子は次のように言った。「たしかにかわいいわね。でも、肉付きが悪いから、美味しくなさそう」。店員は驚いて答えた。「食用じゃありません」。日本人親子は首を傾げて言った。「あら。でも、犬屋なんでしょ?なら、その犬を買うわ。いくら?」。店員は冗談だと思うことにした。そして「50ドルです」と答えた。すると、日本人親子は目を丸くしてこう言った。「なによ。それじゃ、ビーフの方が安いじゃない!」

今日でも、中国、韓国、ベトナム、ラオスなどアジアの一部の地域では犬食文化が残っています。アメリカ人は、朝鮮戦争やベトナム戦争を通じて、「アジア人は犬を食べるもの」という認識を持っていました。その延長で、日本人も犬を食べていると考えられており、多くの日本人が訪米するようになった頃、それにまつわる都市伝説が生み出されたのです。

誤解その2:
日本人は…1日18時間労働
睡眠は電車の中で?

70〜80年代、欧米人にとってビジネスを通して見える日本人の姿は、かなり奇怪だったようです。日本人が「エコノミック・アニマル」と呼ばれていた時代に流布した話を3つ紹介しましょう。

①おじぎ日本人は人と会った時に、家族の間でも90度に頭を下げておじぎする。また、日本の女性は夫に何か頼みごとをする際、床に手をついておじぎをする義務がある。毎晩セックスをする前も、妻はかならず夫に対して頭を下げ、セックスをしてもらうのである。②名刺交換日本人ビジネスマンは初めて会って挨拶する時、自分の名前ではなく、会社の名前だけを名乗る。また、名刺には氏名が記されておらず、会社の名前だけが書かれている。彼らは会社の中では一個人の存在などどうでもいいからだ。③居眠り日本人は1日18時間ぐらい会社で働きつづける。そのため、眠る時間がまったくない。会社の上司たちは、会社員にできるだけ働いてもらうために電車で睡眠を取るように命じている。その命令を破ったら、減俸処分になるらしい。

頭を床につけんばかりに下げる挨拶方法、お互いを個人名でなく「ソニーさん」「トヨタさん」「ニコンさん」と呼び合う習慣、スリだらけの地下鉄や電車やバスで居眠りができる無神経さ…上記のように、欧米人はそうした意味不明な行動に対して様々な憶測をつくりあげたのです。

誤解その3:
日本人は…死因のトップが
「KARO-SHI」?

日本の企業戦士は、「過労死」が目の前に迫ってきても、死に物狂いで会社に尽くさなければ食べていけないという現実があります。次の話は、外国人の目に映った勤勉な日本人ビジネスマンについての風刺です。

過労死=KARO-SHIアフリカにおける死因NO.1は、エイズイラクにおける死因NO.1は、自爆テロ日本における死因NO.1は、過労死

よく大手企業に勤めている人で、「うちの会社は多忙で、年間の過労死者数がグループ全体で3桁いくんだせ」なんて言い方をする人がいますが、厚生労働省が発表する過労死と認定された人の数を見る限り、そんなことはありえません。大手企業における「過労死都市伝説」かもしれませんね。

誤解その4:
日本人は…仕事で失敗したら
即座に「ハラキリ」?

日本のビジネスマンの過酷さを物語る噂はまだまだあります。

日本の企業の新入社員研修は宗教の洗脳のようなもので、ひたすら社長の名前を連呼させられたり、「ありがとうございます」と1日1000回叫ばされたりする。課題をクリアしなければ、トイレすら行かせてもらえない。そんな中で、いの一番に頭を植え付けられることがある。「もし仕事に失敗をして会社に損害を与えたら、即座にハラキリをしろ」ということだ。腹を切れば退職金も出るし、見舞金も支払われ、遺族は大切に扱われる。だが、それをしないと、クビにされ、他の企業でも二度と雇ってもらえない。日本人はたしかに会社のために命をかけて働いているが、それは失敗したらハラキリが待っているという強迫観念があるからだ。

誤解その5:
日本人は…観賞魚を
殺して食べる

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さて、最後は、南米につたわる日本人の残酷さについての噂を紹介しよう。

ある日、日系ブラジル人のアリサさんが日本から来たビジネスマンと一緒に食事をするため、寿司屋へ行った。アリサさんにとっては初めての本格的な日本料理だった。店頭には水槽があり、魚が泳いでいた。ビジネスマンは「どれがイイ?」と笑顔で言った。アリサさんはぷっくりと太った魚を指さした。料理が出てくるのを待つと、先ほどアリサさんがかわいいと思って指をさした魚が活け造りになって出された。腹を切り裂かれて刺身にされ、口が苦しそうに動いている。アリサさんは思わず悲鳴を上げた。「なんで、魚をこんなふうにするのよ!」。ビジネスマンは平然と答えた。「だって、これがイイんだろ。食べてごらん」。そう、彼は「どの魚を食べたいか」と訊くために「どれがイイ?」と言ったのだが、アリサさんは「どの魚がかわいいか」と尋ねられたと思ったのだ。ビジネスマンと寿司屋が嫌がらせのためにそうしたと思ったのである。

日系人と日本人のコミュニケーションから生まれた都市伝説ですが、妙に現実感がありますね。「活け造り」というのは、外国人の目には非常に残酷なものに映るようです。

日本人だけが知らない日本人のうわさ
コンテンツ提供元:光文社

石井光太/Kouta Ishii

作家。海外の生活や文化に関する作品を数多く発表。主な著書に、アジアの障害者や物乞いを描いた『物乞う仏陀』(文春文庫)、知られざるイスラームの性や売春を描いた『神の棄てた裸体』(新潮社)、世界最貧困国の実情を追った『絶対貧困』(光文社)などがある。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。