お値段、約200万円の「宝石のような自転車」

ここ数年の間にニューヨークのサイクルシーンはめまぐるしく変わった。メッセンジャーたちによってストリートから生まれたピストのムーブメントがひと段落し、いまのニューヨークのサイクルシーンを牽引しているのは、ファッション業界の関係者たちだ。

ピストムーブメントの頃のようなスピードへの信仰とストリート性は鳴りを潜め、ツィードジャケットを身につけてクラシックな自転車に乗る「ツィードラン」のように、よりファッショナブルでスタイリッシュ、イベント性を秘めたものへと変わっていった。

ファッション業界を経て
自転車製作へ

th_AscariBW-13
ヘリオ・アスカリ氏が率いる自転車工房「アスカリ・バイシクルズ」は、そういったファッション業界関係者たちにとって垂涎の的とも言えるものだ。フラッグシップモデルにあたるThe Ascari Kingの値段は2万ドル。

もはや自転車というよりも、贅を尽くした美術工芸品といったほうが適当だろう。「宝石のような」と記述したが、実際にジュエリーを盛り込んだモデルもあるというから驚きだ。

ディレクターのアスカリ氏はもともとブラジルからの移民としてNYを訪れ、ファッションモデルとしてキャリアを積んできた異色の経歴を持つ。

幼少期にブラジルの鉄工所で育ち、クラシックなハンドメイドのモノ作りを学んできた経験、そして最先端のNYファッションシーンの現場に立ち続けた経験がアスカリ・バイシクルズの自転車には込められている。

そのモノ作りはラルフ・ローレンも魅了し、実際にコラボレーションモデルも製作している。

Hand made in USAという
走るための芸術作品

th_ascari king white 09112015-4903

アスカリ・バイシクルの製品はネジひとつに至るまですべて手作業で作られる。クライアントの使用目的や一日に乗る距離などをヒアリングしながら1台ごとに設計図面が引かれ、数ヶ月を掛けて製作される。

ハンドルひとつとってもスチールにカーヴィングが施された真鍮、黒檀製のハンドルエンド、バーテープとして巻かれた丸革紐など、目を見張るばかりのこだわりぶりだ。

そのディテールワークの精緻さは遥か昔、貴族たちが財を投じて作り上げたアールヌーヴォーの邸宅や宝飾品を思わせる。

自転車という道具にとって
“価値”とはいったい何か

th_ascari king -white 09112015-4895

一般的に自転車の価格は性能に比例する。使用者の体格に合わせてデザインし、カーボンやチタンなど最新の素材を使ったモデルはアスカリ・バイシクルと同じぐらいの値段で、もっとずっと軽量で速く走らせることができる。

しかし、最新の素材を使い、カーボンが割れたら捨てる以外に方法のない高額な自転車が、果たして本当に価値あるものと言えるのだろうか。エコな乗り物として自転車が注目を浴びているが、壊れたら捨てる以外に方法の無いものを選ぶことは、果たして本当にエコなのだろうか。

アスカリ・バイシクルズの自転車は19世紀に自転車が誕生した頃のものと基本構造や素材は変わらない。そして作り方も19世紀の頃と同じく、ひとつずつ職人の手作業によって作られる。だからこそ、たとえ壊れても直すことができ、乗り続けることができる。

価値あるものとは。エコとは。その答えはアスカリ・バイシクルズが掲げる“Looking back to move forward(前に進むために過去を振り返る)”というスローガンのなかに隠されているのかも知れない。


Licensed material used with permission by Ascari Bicycle Inc.

移動式の自転車カフェ「Wheelys」の最新バージョンが、この「Wheelys 4」。世界でもっともエコなマイクロカフェと言ってもいいでしょう。「Whee...
いま、神戸市在住の“とあるサラリーマン”が大きな注目を集めています。大島義史さん、31歳。実は彼、2015年12月末から2016年1月中旬にかけて、かねて...
スーパーマンみたいに空を飛べたらいいなぁと思ったこと、誰でも一度はあるでしょう。そんな気分を味わえる素晴らしい自転車が登場しました。え、自転車?って思うか...
自転車の交通ルールは、2015年6月に道路交通法の罰則規定が強化され、3年以内に2回以上危険行為を繰り返すと、都道府県公安委員会から自転車講習を受ける命令...
もしかすると、これまでで最もコンパクトな折りたたみ式電動自転車ではないでしょうか?一度の充電で25kmの走行ができ、折りたたみや組み立てにかかる時間もたっ...
「Ampler Hawk」の見た目に驚かされた。「Ampler Bikes」によれば、その重さは14kg。出力は250W。最大時速35kmまでアシスト可能...
機能は良くても見た目がイマイチだと、生活の一部にするのはちょっと…。どうせだったら、スペックだけでなくデザインにもこだわりたいところ。はい、自転車の話です...
自転車でいろんなところを旅したい!そんな人にうってつけのキャンピングカーが登場!自転車で持ち運べるキャンピングカー!?「家に帰るために急いで自転車をこがな...
ハイテク企業が集まっているカリフォルニアのオレンジ・カウンティより、超カッコイイ電動自転車が登場。その名も「Super 73’」!その名の通り、70年代の...
『イージーライダー』『モーターサイクル・ダイアリーズ』『テルマ&ルイーズ』……。ロードムービーが描く、美しい風景と美しいストーリー、その世界観が好きな人も...
野球カード、スターウォーズグッズ、超合金。この3つの共通点は、超がつくほどのコレクターが世界中にいることですが、ここにiPodが加わるかもしれません。実は...
軽くてコンパクトに折りたためて、ほぼ充電いらず。さらに、電動自転車には見えないスリムなデザイン。そんな、かゆいところに手が届きまくっている「VELO BI...
ブラジル生まれのド派手な自転車が「オモシロイ!」と評判を呼んでいます。街行く人々の目を止める、楽しい仕掛けを搭載して、夜の街へ繰り出していく。そう、この自...
日本でも盛り上がりを見せるクラフトビール。実はこれ、もともとアメリカからスタートしたムーブメントなんです。大手ビールメーカーの作る大量生産のビールに満足で...
自転車のハンドルに装着するだけで様々なハイテク機能を利用できる「SmartHalo」は、スマホと連動した多彩な機能が魅力的なデバイス。その手軽な操作性も必...
自転車先進国と呼ばれる国が多いヨーロッパ。2016年1月にドイツで自転車専用高速道路が開通したことは記憶に新しいですが、そのほかにも続々と始まりつつある新...
使い方はカンタン。後輪に装着したデバイスにUSBでスマホを接続!あとは自転車に乗って走るだけで充電ができちゃう便利なデバイスが登場しました。しかもこれ、自...
今や世界の多くの街に開通している地下鉄は、旅行者にとってメインとなる足。タクシーよりも安価で、バスよりも簡単。比較的安全で、正確に目的地に到着できるメトロ...
ここに紹介する自転車は、どれも斬新なフォルムが目を引くものばかり。街乗り、フィールド仕様のコンセプトモデルかと思いきや、よく見ればどこかヘン。サドルがフレ...
自転車普及率が世界一の国オランダでは、なんと1人1台以上自転車を保有しているという統計がある。そんなオランダ人が、他の国の自転車事情を見たら、どう思うのか...