「幸せに暮らすためのライフスタイル」を探す旅。

クエンティン・タランティーノ監督作品『イングロリアス・バスターズ』で、世界的な脚光を浴びた女優メラニー・ロランは、近年監督業でも注目されている。

彼女が、俳優でありジャーナリストでもあるシリル・ディオンと共同監督した映画がある。『TOMORROW パーマネントライフを探して』は、2015年12月にフランスで公開された後、熱狂的に口コミが広がり観客動員数110万人を突破。フランスで最も権威のあるセザール賞に輝いたドキュメンタリーで、日本で12月に公開が予定されている作品だ。

環境問題を解決するアイデア集とも、新しいライフスタイルを模索する作品とも言える“めちゃくちゃポジティブな映画”だった。

ロランがこの映画を作るに至った経緯は、コリブリ運動(環境と生活の両方を大切にする社会を考えて行動する)創始者の1人であり、映画のシナリオを書いていたディオンと意気投合したからだった。

2012年、彼女が妊娠していたときのこと。「ネイチャー」に掲載された科学者たちの論文内容を知らされ驚いた。

そこには、“今のライフスタイルを続ければ、人類は滅亡する”と書かれていた。科学的根拠をもとに、21人の科学者が生態系壊滅を説明したものだった。

気候変動と人口増加が、
人類を滅亡へと導いていく!?

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絶望的な状況と事実を知り、子どもたちの未来を不安に思ったロランは、一日中泣き続け、論文を知らされたことを恨んだほど辛かったという。

ディオンは、自身の映画を軌道に乗せるべきだと考えていた。同時に、危険性を告発するだけの作品にしては意味がないとも思っていた。

必要だったのはポジティブな映画だった。彼女はその考えに共感し、携わっていた仕事を一部キャンセルしてまで制作に打ち込んだ。そして、世界を変えようとしている人々を訪ねる旅に出たのだった。

幸せに暮らすための、
ライフスタイルを探す旅。

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この映画では、深刻な問題を明るく解決していく人々の様子が次々紹介される。彼らが訪ねたのは、各分野のカリスマとパイオニアたちだ。

映画の構成は、農業、エネルギー、経済、民主主義、教育に分けられ、それぞれのコミュニティを回っていくロードムービーになっており、こんなやりかたがあったのか!と、驚きのアイデアがめまぐるしくも紹介されていく。

一例のなかでも、古代ギリシャの政治や陪審員制度を例に挙げて“政治家をくじ引きで決める”なんて発想には驚いた。しがらみがなく、率直な決断ができると考えられているという。

ほかにも“落ち葉をリサイクルして栄養価の高い土をつくる”や、“公共の土地に野菜やハーブを植えて共有する”など、数え切れないほどの解決案が矢継ぎ早に提示されていく。

「すべてを捨てる必要なんてない。」

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「たんにエコロジーに関するドキュメンタリーというのじゃなくて、未来の社会がどのようなものなのかをまなざす映画なのよ。」、と話した彼女。こんな思いがあった。

「誰だってたいへんなことを率先してやりたいとは思わないでしょう。でも、きちんと向き合うほかない。問題を対処するだけの力を得るためには、できるだけ取っ付きやすく、しかも楽しんでできる解決法が必要だと思うわけ。だからこそ、むしろ楽しみながら問題に取り組んでいるような人たちを紹介してゆこうとしたの。

すべてを捨てる必要もなければ、人生を変える必要もなく、また農場に孤立して自給自足生活をするような必要もない。映画の中で紹介した先駆者たちはみんな、私たちの手の届くところに居て、私たちと同じような暮らしの中から未来を生み出しているのよ。」

上映は、12月23日(金・祝)より渋谷シアター・イメージフォーラムで始まり、全国順次公開予定だ。彼らがその目で見てきたヒントやライフスタイルが、これでもかと詰まっている。

映画の雰囲気をふんわりと軽くしているスウェーデン出身フランス育ちのジャズ・シンガー、フレドリカ・スタールの歌もおすすめ。詳しくはコチラからチェックしよう。

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