044:京都の老舗刃物屋による花はさみが選ばれる理由は「音のよさ」!?

華道家にとって、花ばさみは欠かせない道具です。

僕が使用しているのは〈有次(ありつぐ)〉の花ばさみ。包丁で知られる京都の老舗ですが、刃物屋なので、花ばさみも扱っているわけです。

当然僕にとっては仕事で使う重要な道具ですから、“老舗だから”という理由からではなく、シビアに見て、優秀だからこれを選んでいます。

まずは、頑丈であること。

僕が扱うのは、栽培された花ではなく、野山に自生している木々です。それに耐えうるものでないと。

もうひとつは、太い枝を切った時に鳴る音です。

使っている自分にとって気持ちがいい音というのはもちろん、舞台でのライブパフォーマンスでは、その音が演出のひとつにもなります。

「カンッ」

現代音楽の舞台で、ライブをやらせてもらうことがあるんですが、この「カンッ」という音が、ピアノの音色や電子音とシンクロするんですね。

有次の花はさみは、本当に音がいいんですよ!

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辻雄貴/華道家
1983年 静岡県出身。辻雄貴空間研究所 主宰。建築という土台を持ちながら追求する「いけばな」は、既存の枠組みを超えて、建築デザイン、舞台美術、彫刻、プロダクトデザインなど、独自の空間芸術として演出される。2016年、ニューヨーク カーネギーホール主催公演にていけばなを披露。カーネギーホール史上初の華道家となる。http://yukitsuji.com/

Photo by 元家健吾

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