22歳のカナダ人が遺した「希望のマラソン」

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

「TERRY FOX DAY」

「義足のランナー」で知られる、テリー・フォックス(Terry Fox)という名前を聞いたことがありますか?

1958年カナダに生まれたテリーは、ガンで右足を失いながら、ガン治療の研究資金を募るため、義足を着けてフルマラソンと同じ距離(42.195km)を毎日走り続けた、カナダの英雄です。

体育教師を目指し大学生生活を送っていた18歳のとき、骨のガンとされる骨肉腫を発症し、右膝から上を切断。失意に暮れる病床で彼が目にしたのは、自分よりずっと若い子どもたちがガンと闘う姿でした。

生きる希望と闘う勇気を与えたい……。右足切断からおよそ2年後の1980年、テリーは義足でのカナダ大陸横断マラソン「Marathon of Hope(希望のマラソン)」を決意。

けれどスタートから143日目、5,373kmを走ったところでガンが肺に転移。マラソンを断念し入院しましたが、翌年22歳の若さでこの世を去りました。

彼の遺志を受け継いだチャリティーランは世界各地で毎年開催され、ここ日本でも2014年から札幌市でランイベントが開催されています。集まった寄付金は全額カナダ・テリーフォックス財団を通じて、世界のガン研究機関へと寄付されるそう。

カナダでは、そんな彼を讃えての「Terry Fox Day」が今日8月2日だそうです。自分の走りが誰かの希望となるかもしれない。普段からランを日課とされている人は、チャリティーへの参加も検討してみてはいかがでしょう。

Top image: © Bettmann /Getty Images
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