女性のSTEM分野への進出、男性労働者と社会に与える影響が明らかに……

日本の経済成長に新たな光をもたらすかもしれない、女性のSTEM分野への進出。その可能性と影響を探る。

この記事の要点

・女性のSTEM分野への進出が日本経済の新たな成長エンジンとなる可能性がある。
・STEM職における女性の障壁を取り除くことで、日本の生産性成長を20%加速できると研究が示唆。
・明示的および暗黙的な賃金格差の解消には、政府の更なる取り組みが必要。

世界的に見ても少子高齢化が顕著な日本。労働人口は1990年代後半から縮小している。にもかかわらず、日本は2012年から2019年までの「アベノミクス」の期間、1人当たりの国内総生産(GDP)で驚異的な成長を遂げた。

「国際通貨基金(IMF)」は、この成長の大きな要因の一つを労働市場への女性の参加率の上昇とみている。現に2012年の63%から2022年には74%に増加。これは主に、政府による子育て支援の強化や改善された産休政策によるところが大きい。家庭にいた女性が労働市場に再参入した結果ともいえる。

しかし、女性の労働参加率の上昇傾向は現在停滞しつつあり、間もなく頭打ちになる可能性があるとの予測も。そのため、日本は新しい成長エンジンを模索していく段階にあるとIMFは指摘する。

打開策として、海外から技術者を迎え入れることが挙げられてきた。だが、日本はG7諸国の中でもっとも外国人労働者の割合が低く、現在の政治環境では人口減少を補う規模には達しない可能性が高いとみられている。

そこで注目されるのが、女性を科学、技術、工学、数学(STEM)分野により多く参入させること。日本では女子大生のSTEM専攻者はたったの7%に過ぎず、男子学生の36%や他の比較可能な国々と比べても低い割合になっている。

これは女性の才能の欠如ではなく、STEM分野での女性に対する様々な障壁の反映であるとIMF。障壁を取り除くことは、STEM人材の供給を増やし、自動化、デジタル化、革新に不可欠な日本の労働者を増加させることになるとも。

研究によると、女性がSTEM分野の障壁に直面することなく働けるようになれば、日本の生産性成長を20%加速させることができるそうだ。生産性が速いペースで成長すれば、出力と賃金も増加し消費と福祉が向上する。女性の参入は大きな利益を生むとみられているいっぽうで、今日のSTEM分野における男女の賃金格差は大きな障壁だ。

現在、日本政府は明確な賃金格差の削減に取り組んでいるが、暗黙の賃金格差を前に立ちはだかる壁は高い。それでも、能力に基づく採用や昇進に関する労働市場の変化は、女性のSTEM教育へのリターンを改善できるはず。

STEM分野への女性の柔軟なキャリア進出の先に、日本経済の巻き返しがあるのかもしれない。

※本記事はGeneraitve AIを一部活用して記事制作をしております。

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