アンコールワット住民「家のない居住地」への強制退去。人権団体がカンボジアを非難

カンボジア最大の世界遺産「アンコールワット」。12世紀前半、クメール王朝時代に築かれた巨大な寺院だ。

密林にそびえ立つ壮大な遺跡は毎年多くの観光客を呼び、人々を魅了している。

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しかし今、名所としての輝きが地元住人たちに暗い影を落としている。

何世代にもわたってアンコールワット周辺で生活を築いてきた約1万世帯の住民が、カンボジア政府から敷地外への立ち退きを要請されているというのだ。

人権団体のアムネスティは、これが「重大な国際人権法違反」あたるとして報告書を提出。100人以上への聞き取り調査を実施し、「カンボジア当局は脅迫や暴力によって人々を排除し、家もきれいな水もない移住地に送り込んでいる」と結論づけた。

これに対し政府は、立ち退きを要請した人々について「不法占拠者が認められていない居住地を作り、環境を破壊している」と主張。退去は、ユネスコが定める「施設内の建造物や住居の禁止」に従ったものに過ぎないとしている。

一方で、ユネスコは「我々は移住を要請したことも、支持したこともないし、当事者でもない」と述べ、当局に是正措置を取るよう求めた。

2022年末から実施された強制立ち退きにより、すでに多くの住人が劣悪な新集落への移転を余儀なくされているという。彼らが“人権の守られた生活”を取り戻すには、国際団体が強く働きかけていく必要があるだろう。

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