わずか一年で、世界中の「サンゴ礁」が大変なことになっています

いま、世界中の海でサンゴ礁の白化現象が懸念されている。海水温の上昇が引き起こすサンゴの死滅は、太平洋を西へ西へと移動中。モルディブやパラオなどダイビングのメッカだけでなく、ハワイのコーラルリーフにも危険が迫っている。

わずか一年、
進むサンゴの白化現象

American-Samoa-1-December-2014American-Samoa-2-February-2015

まずは、この2枚の写真を見比べて欲しい。南太平洋ポリネシア地方、アメリカ領サモアの沖合で撮影されたもの。上が2014年12月の海の様子、下は今年2月の同地点だ。サンゴ白化の状況は一目瞭然。、わずか3ヵ月足らずのうちに、赤道付近の海にいったい、何が起きたのか?

米国海洋大気庁(NOAA)が発表したデータによると、記録的な海水温の上昇により、いま世界的にサンゴの死滅による白化が過去最悪のペースで進行中だという。
2014年夏、北太平洋アメリカ沿岸から始まったサンゴの白化現象は、ハワイ諸島周辺へと達し、さらに西へと進行。この夏には南インド洋にまで拡大しているとNOAAは警鐘を鳴らす。

2015年末までに
世界の約38%のサンゴが
死滅の危機にある

XL-Catlin-Seaview-Survey-American-Samoa-9

世界の海に生息する50万種の生き物のうち、およそ1/4がサンゴ礁で生息している。あらゆる生き物の住みかにもなれば、産卵場所にも。さらには海水のCO2濃度を調節し、バランスを取るのもサンゴの役割。つまりは、海洋生物の生態系のベースとなっているのがサンゴ礁なのだ。
じつは、地球規模でのサンゴ死滅の危機は今回で3回目。ただ、前2回と大きく異なる点があり、「この白化現象が一年以上に渡って継続し、さらに来年も続くことが予想されるから」だとする、NOAAサンゴ礁調査官Mark Eakin氏の報告を「Mashable」は紹介している。

XL-Catlin-Seaview-Survey-American-Samoa-6-copy

サンゴは軽度の白化であれば、年月をかけて回復することもできる。しかし、水温上昇が長期間に渡るほど白化は致命傷に。こうして、一度サンゴが死んでしまうと、サンゴ礁は急速に劣化を始め、やがて脆弱化して崩壊してしまう。海洋生物の生態系バランスが崩れるばかりか、海流や高波のバリアが欠損することによる、沿岸地域への影響も懸念されるところだ。

世界に広く分布したサンゴ礁の多くは、およそ5,000年以上前から生き続けるものが多いそう。 Eakin氏は、2015年末までに「世界の約38%以上(およそ12,000平方キロメートル)のサンゴ礁が死滅する危機にある」という、衝撃の事実を報告している。

2016年にかけて、
ハワイのサンゴ礁が危ない!

NOAA-Oct-Jan-2016

NOAAはこの10月、向こう8ヵ月間のサンゴ礁白化予測のハザードマップを公開した。血のりのように太平洋を染めるAlert Level2が最もサンゴの白化現象が懸念されるエリア。ハワイやキリバス共和国など、常夏のリゾート地が危機に瀕しているのが分かる。

NOAA-Feb-May-2016

こちらは2016年2月から5月の予測図。Alert Level2の区域は一気にインド洋へと拡散し、南半球の海の大半が危険なレベルに達する見通しだ。

原因は過去最高レベルの
エルニーニョ現象

XL-Catlin-Seaview-Survey-American-Samoa-8

では、これだけ広範囲に渡って影響を及ぼす白化現象の発端は?それが、人類史上最も暑い夏を経験することとなった、2015年明けからの強烈な「エルニーニョ」だとNOAAは見ている。この夏各地で猛威をふるったエルニーニョは、太平洋赤道域の日付変更線付近から、南米ペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が上昇することで引き起こされる異常現象。この水温上昇の拡大が今年は止まらず、太平洋を西へ西へと伸びていることが最大の原因とみられている。
エルニーニョの監視を続ける日本の気象庁も、今年9月に最新した最新のデータで、太平洋赤道付近の海面水温が例年より3℃ほど高く、来春にかけてエルニーニョによる影響が続く可能性を示唆している。

歯止めのかからない海水温の上昇に、世界の科学者たちが問題の調査究明にあたってはいるが…。

Reference:NOAAMashable
Licensed material used with permission by Underwater Earth , XL Catlin Seaview Survey

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