世界で最も乾燥した砂漠に、突如花が咲いた(画像あり)

枯れた砂漠が一面、ピンク色に染まった!?アメリカのメディアを中心に話題沸騰の写真。ここが、世界でもっとも乾燥した砂漠だと聞いても、にわかに信じられませんよね。この幻想的な風景が生まれた背景には、地球温暖化にも紐づくあの異常気象がありました。

不毛の砂漠がピンクに染まった!

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ここはチリのアタカマ砂漠。20世紀初頭に記録された、173ヶ月降水量ゼロという事実から、「世界で最も乾燥した大地」として知られています。この不毛の大地が、ときにご覧のような幻想的な光景を見せるのだから、大自然の不思議さを感じずにはいられません。

「今年の花の咲きようは、私が赴任した過去18年の中でこれまでに前例がないほど。それも、一年のうちに2度も花で埋め尽くされるなんて」

アタカマ国立観光サービスの管理者Daniel Diaz氏は、ピンク色に染まる花(ウスベニアオイ)の絨毯に驚きを隠せない様子。初めて目にする前代未聞の光景を「EFE」に語っています。
例年、春先に花をつけることはあっても、それを足元で見つけることの方が大変なんだそう。それが、2015年はまるで桃源郷のような光景が1度ならず2度も発生していると聞けば、彼の興奮にも納得がいきます。

エルニーニョの恩恵!?
乾いた大地に花咲かせた
2度の記録的豪雨

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さて、アタカマ砂漠の南に位置する街アントファガスタの年間降水量は、わずかに1.7ミリ。ところが、強いエルニーニョが発生する年には、一転して大雨を降らせることがあると「Washington Post」は伝えています。

記録的な大雨による大洪水がチリ北部を襲った2015年3月、アタカマ砂漠に降り続いた雨は、一昼夜で24ミリに達しました。数字だけ見ればわずかに思えるかもしれません。しかし「砂漠に降る雨としては前代未聞レベル」だと Diaz氏。
さらに、同地域は、今年は8月にも例年にない大雨に見舞われました。まるで長い“冬眠”から目覚めたような、一面の花々とエルニーニョの因果関係。さらには、観測史上最大クラスのハリケーン・パトリシアによる影響で、長雨が続いたこともこの満開の花々をもたらした要因のようです。

皮肉にも、エルニーニョの年にしか見ることができない“砂漠の奇跡”。やっぱり、自然って不思議ですよね。

 Reference:Washington PostEFE
Licensed material used with permission by Planedia, EFE

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