天国か地獄か。知られざる「不倫の真実」とは?(職場が最も危険かも・・・)

実際に不倫をしている人は、メディアで騒がれているほど多くはないそうです。坂爪真吾氏の著書『はじめての不倫学』によれば、既婚者のほとんどは、心の内に不倫願望を秘めつつ、行動に移すまではいかないそう。ですが、あながち無視できないリスクが身の回りに潜んでいるかもしれません。

ここでは、不倫に関する現実を解説した本の内容を一部紹介します。

01.
スマホやSNSの普及で
現代社会は「不倫天国」?

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現代社会は、個人間で常に連絡の取れるスマホやSNSの普及で、環境条件的には「歴史上、最も不倫をしやすい社会」になっている。さらに経済的にも不倫のコストは下がっている。

一昔前は、「浮気は男の甲斐性」とされ、男性が不倫相手の女性を経済的に援助するケースが多く見られたが、ある調査によると、「援助もしていないし、されてもいない」と回答した独身女性は全体の74%を占めており、「全面的に援助されている」という回答は3%に留まる。

男性にとって、不倫に伴う経済的コストが低くなっていることは事実だろう。だからといって、不倫人口そのものが大幅に増加したというデータはない。その意味で、現代社会が「不倫天国」だという認識は間違いである。あくまで不倫に至るゲートとプロセスが可視化されやすくなっただけだ。

02.
最も不倫が起こりやすいのは
「職場」

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不倫といえば、出会い系サイトやSNSで知り合った全く面識のない相手と…というイメージが強いが、現実はそうではない。職場の上司や部下、昔の恋人や同級生など、これまでに公私で縁のあった相手が何らかのきっかけで不倫相手に昇格するというパターンが多い。

そう考えると、同じ職場や人間関係の中で付き合っているにもかかわらず、「バレない不倫」と「バレる不倫」があるのはなぜだろう。一般論だが、お互いが立場をわきまえて、節度を保って逢瀬を重ねている場合、バレないことが多いようだ。独身女性と既婚男性というありがちなパターンよりも、お互いに子どものいる既婚者同士の不倫が安定的に続く場合もある。

03.
その価値
「慰謝料100万円」+α

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不倫の慰謝料は精神的苦痛に対して支払われるものであり、金額の相場は個々の事情(加害者側の過失の有無、交際期間や肉体関係の回数、支払い能力や財産状態、職業や社会的地位、被害者の精神的・肉体的苦痛の程度、夫婦関係の破綻の度合い、被害者の過失の有無など)によって変動する。

たとえば、あなたが独身で「不倫相手」である場合、不倫の法的・経済的コストは、せいぜい100万円程度である。もちろん、それ以外に様々な精神的・社会的コストを支払う必要が生じる場合もある。

なお、不倫の時効(不法行為による損害賠償請求権の時効消滅)は、不倫をした時から20年、あるいは不倫相手が判明した時から3年の、いずれか短い方である。つまり最短で3年、最長で20年は裁判沙汰になるリスクと隣り合わせで過ごすことになる。

04.
常習化しやすい
不倫セックスの魅力とは?

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ア ルコールやタバコ、DVやストーキングと同じで、不倫は常習化しやすい。セックスの快楽は「落差」に比例する。配偶者以外の相手という落差、いつもとは違う肉体・感触・匂い・空間という落差、タブー破りという精神的な落差など、複数の落差の相乗効果によって背徳感と高揚感が高まるため、通常の性行為より圧倒的に快感の強度が増す。

「毎晩抱き合っても飽きない」「自分があれほどまでにセックスに情熱的になれるとは思わなかった」という声も多い。

不倫 のセックスの気持ちよさを一度でも体験した人は、多くの場合、それ以前のセックスには戻れない。今までの人生で経験してきた恋愛やセックスの全てが色褪せるほどの衝撃を受けて、「今までの人生は一体何だったんだ」と愕然とする人もいる。

つまり、他の既婚者や職場の上司など、法的・社会的リスクのある相手と不倫しなければ満たされないということ。これは社会的に極めてリスキーだ。

05.
不倫の動機

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世間で流布されている不倫の動機をタイプ別に分類すると、おおむね以下の通りになる。もし仮にあなたが不倫をしているなら、どのタイプにあてはまるだろう。

01.<自己啓発・自己救済が目的>

【市場価値確認】
男として・女としての市場価値を確認したいために不倫する。若くして結婚した人に多い。価値を確認できれば満足なので、比較的短期間で終わることもしばしば。

【隣の芝生は青い】
隣の芝生(=友人・知人の配偶者)が青く(=魅力的に)見えるために不倫に乗り出す。結婚したての人に多く、「そんなに青くなかった」とわかっておさまる。

【カウンセラー探し】
自分の話を親身になって聞き、励ましてくれるカウンセラー的な相手を求めて不倫する。セックスはあくまでオマケであることが多い。

【中年の危機】
友人・知人の死や病気を契機にして、「本当にやりたいことをしたい」「後悔のないように生きたい」と思って不倫に乗り出す。

02.<パートナーとの関係変化が原因>

【あてつけ】
パートナーに自分の性的要求を拒否されてたり、性的嗜好を拒否されたことが理由で不倫に乗り出す。

【ステップアップ】
昇進や起業などの社会的成功によって、パートナーとの価値観が合わなくなった際に、「自分にはもっとふさわしい相手がいるはず」という思いから不倫に乗り出す。

【自爆】
パートナーとの関係が行き詰まって、どうすればいいのかわからない、一度関係をリセットしたいという時に、あえてバレるように不倫する。

【復讐】
浮気されたことへの仕返しとして不倫する。多くの場合、罪悪感と自己嫌悪しか残らず、関わった全員が不幸になる。

06.
高確率でバレる

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「たかが不倫、そこまで怖がらなくても」、「パートナーにバレないようにやれば、大丈夫でしょう」と思うかもしれない。そこで法律的・倫理的な理由以外に「なぜ不倫を防止する必要があるのか」を再認識したい。

なぜなら、高確率でバレるからだ。当たり前のことだが、自分の感情と行動、そして相手の感情と行動の双方を自分の意思だけで100%都合よくコントロールすることはできない。とくに、男性の不倫は極めてバレやすい。靴下を裏返しにはいて帰宅してしまうなど、妻から見れば一発で気づくような目も当てられないミスを犯してしまう夫は枚挙に暇がない。

多くの場合、不倫が発覚した瞬間に、パートナーとの間に築かれていた信頼関係は一瞬で失われ、関係は一気に冷え込む。相手側の精神的な傷は、その後何年、何十年も尾を引くことがあるのだ。

はじめての不倫学
コンテンツ提供元:光文社

坂爪真吾/Shingo Sakatsume

一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。新しい「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、性風俗産業の社会化を目指す「セックスワーク・サミット」の開催など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。