「姓の順序」を自由に選択。コスタリカ、習慣的な“義務”の撤廃へ

多様性という意識が個人の名前にまで影響を及ぼす、そんな事例を紹介したい。

先月、コスタリカの最高裁判所で個人の姓の順列を違憲とする判決が下され、法改正に動いたと米「NBC News」が報じた。同国では、姓の順において、習慣的に父方の姓を先に置くことが民法で義務とされていた。

スペイン語圏の国では子どもが生まれた際に父方と母方の2つの姓を与えることが一般的。たとえば「María José García López」という名前の場合、「García」が父方の苗字、「López」が母方の苗字となる。今回の判決で国民は、母方の姓を先に置く選択が可能となったわけだ。

じつはこの法改正、ことの発端は一人の市民が姓の順序を変え、母親姓を最初に置きたいとの要請が提出されたことにあった。裁判所の公式発表によると、改正に至った理由は至極当然で時代を捉えたものにも思える。

「従来の民法が時代遅れの概念に基づいており、女性を差別した内容であるため、現代の憲法と不整合である」

また、法律をそのままにしておくことは、個性やアイデンティティの発展・促進を制限することにつながるとも。

社会の進化に歩調を合わせ、柔軟に法を変えていくことも必要な時代。今回のコスタリカの事例は、世界各国の伝統的な習慣にどう影響を与えていくだろうか?

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