これからの社会には、「ソーシャルインパクト・コラボレーション」が必要だ

社会課題の解決を目的とした
ソーシャルインパクト・コラボレーション

ソーシャルインパクト・コラボレーション(Social Impact Collaboration)」とは、社会の課題に対処し、社会全体にポジティブな変化をもたらすために、個人や企業、政府、地域社会などが協力し合い、連携すること。資源や専門知識、取り組みを共有し、共通の目標に向けて努力することで、地域社会が抱える社会問題の解決、持続可能な発展を実現することを目指している。

利益を最大化させることを目的に、企業間でのコラボレーションはこれまで数多なされてきた。が、企業も社会的責任を果たすこと求められるようになった現代、ソーシャルインパクト・コラボレーションの数は今後さらに増えていくに違いない。

「ナイキ」と「Dove」がタッグを組み
ボディポジティビティを促進

© Dove Global Channel / Instagram

「ナイキ」と「Dove」は、2023年10月に「Body Confidence Sport」というキャンペーンをスタートさせた。これは11歳〜17歳の女性がスポーツに参加することで、自身の体に自信を持てるようになることを目的にしている。

長年に渡り、ナイキはスポーツにおけるボディイメージと男女平等を支援する取り組みを積極的に行ってきた。また、Doveは「#DetoxYourFeed」というキャンペーンを立ち上げ、10代の若者たちに、自分自身の美の基準を定め、自身を良く感じられるインフルエンサーを選ぶように勧めている。

「Body Confidence Sport」は、両ブランドが同じような価値観を持っており、利益を最優先にしない考えも共通していたため、実施できたのだろう。

15周年
「ブルガリ×セーブ・ザ・チルドレン」の
パートナーシップ

©ブルガリ ジャパン株式会社

「ブルガリ」と人道支援の国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」は、パートナーシップ契約を通じて、多くの子どもたちをサポートしてきた。カスタムメイドのジュエリー・コレクション販売による寄付金は、これまでに合計1億500万ドル(約157億円)を超えているそうだ。

実際には。37ヵ国で200万人以上の子どもたちに対して支援を行ってきたとのこと。これからも紛争地域で暮らしている子どもたちをはじめ、多くのサポートを求めている子どもたちを救うために、パートナーシップを続けていくと両ブランドは語っている。

これもブルガリが利益を追い求めることを最優先にしていたら、実施できないパートナーシップだろう。

まとめ

ソーシャルインパクト・コラボレーションは利益を追い求めない特性があり、その姿勢は回り回ってファンを増やすことに繋がっているのではないだろうか。

だからと言って、ファンを増やすことを目的にしてしまうと、ソーシャルインパクトコラボレーションはうまくいきづらいかもしれない。しかし、ブランドが大切にする価値観を社会に広めるために、有効な手段のひとつと考えられていることは確かだ。協業先を探す際にも、そのブランドが何を重要視しているのかは把握しておく必要がありそうだ。

これからの社会をより良くしていくためには、大きな影響力を持つ企業が行動を始めることが重要であり、その効果を最大化させるためにも各企業の「ソーシャルインパクト・コラボレーション」に注目してみてはいかがだろうか。

変化の激しいこの時代、
新しい価値観や考え方が日々生まれています。

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