【※要注意】ボディタッチの許容範囲は人間関係によってこんなに違った

コミュニケーションにおける、勘違いポイントのひとつがボディタッチ。さり気なくサラッと決められてしまうと、嫌とも思わないのに、ぎこちなさが体温を通して伝わってくるような人だと…、もう悲劇でしかない。
では、他人が自分の体に触れてもOKなのは、いったいどこまで?さらにどの部位だったら許せる?こんなことを、大マジメに調査している研究グループがある。

恋人から見知らぬ他人まで
タッチOKはここまで!

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英オックスフォード大学とフィンランドにあるアールト大学の研究者は、欧州5カ国(イギリス、フィンランド、フランス、ロシア、イタリア)のべ1,368人を対象にこんな実験を行った。体の特定の部分を他人に触られた場合、誰に、どこまでだったら不快に思わずに触らせることができるか、許容限界エリアを探ろうというものだ。

上の図は、被験者らによる許容範囲を色で識別したもの。体の前と後ろ、自分が触られても平気だと思う部位を「白」、触られたくないと思う場所ほど「赤」で示している。さらに、誰にならタッチを許すかを、男女合わせて15パターンの人々に細分化(恋人、女友達、男友達、母、父、兄弟、叔母、叔父、いとこ、黙認、見知らぬ人)して、人間関係を図式化した。
研究者らは、これらの情報を集計してマッピングを実施。こうして、恋人以外には誰にも触れさせたくない領域(タブーゾーン)を含む、タッチされてもギリギリOKなパーツが解明された。

タッチの許容範囲は
人間関係の深さに比例

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では、実際どこまで許されるのか確認していこう。親密な関係性にある恋人同士は、心ばかりか体の許容範囲も当然ながら広く、マップ上もほぼ真っ白。いっぽう、見ず知らずの他人は、全身がどす黒く染まり、胸元から膝上にかけてタブーゾーンが広がっているのが分かる。両手のひらだけが、異様に白いのも特徴的だ。

「人々がタッチを許せるのは、自分との社会的つながりの親密さ如何ということがこの結果から判断できると思います」

ボディコンタクトは、親密に触れ合うことによって生じた喜びにも起因していると、研究を指揮したアールト大学の神経科学者Juulia Suvilehto氏は、「Popular Science」に述べている。体の特定のエリアを触られることで喜びを感じると、別の人から同じ部分を触られることも、許容しやすくなることがこのマッピングが証明している事実なのかもしれない。
かたや、社会的関係における非言語コミュニケーションが強調された、ヨーロッパ文化の多様性だと報じるメディアも。人が触れることを許可されている身体領域が大きい程、自分にとって社会的関係性、もしくは結びつきが強い人だと言えそうだ。

ボディコンタクトに
不慣れな日本人はご用心

Woman feeling uncomfortable at work

さて、この調査が実施された5カ国は、ボディコンタクトが比較的多めの国々を抽出し、文化圏の違いも加味して選ばれている。これを日本人に当てはめて考えようとすれば、許容範囲はぐんと狭まるに違いない。そこだけはきちんと理解しておかないと…結果は、火を見るよりも明らかだろう。

Reference:Popular Science , Science Daily , Neuroscience News
Licensed material used with permission by Juulia Suvilehto / Aalto University

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。