「13年間ペットボトル一筋」の女性が、命を吹き込み続ける。

ペットボトルは、耐水性や耐久性など、あらゆるポイントで優れています。なのに、あまりにも身近な存在すぎて、ただのお手軽なモノと見られがち。多くの人が「秘めた魅力」に気づいていません。

だからこそ、チェコで活躍するアーティストVeronika Richterovaの作品を紹介したいのです。彼女の『PET-ART』シリーズは、一度ゴミとして捨てられたペットボトルの無限の可能性を教えてくれます。

加工次第でどこまでも輝く

10年以上に渡り、ペットボトルアートをつくり続けるVeronikaの熱意は凄まじいもの。その特性をとことん追求していることがわかるのが、上のシャンデリア。

この作品は、ライトの熱に耐えられるという良い所だけを利用したものではなく、あまりにも熱を加えすぎると、溶けるという弱点さえも活かしています。ガラス細工のように、加熱しながら捻ったり、歪めたりして、ディテールまで丹念に作り込まれているのです。

さらに、明かりで照らせば反射し、キラキラ輝いて美しいんだから…。もうっ、とにかくスゴイ!

捨てられたモノとは思えないほど様々な工夫が凝らしてあり、インテリアとしても申し分ありません。それに、特性だけではなく、元のカタチもちゃんと活かされている所に「並々ならぬ愛」を感じます。

愛するがゆえに何もかも知り尽くそうとするVeronikaは、世界76ヶ国から約3,000本のペットボトルを集めた『PET-ART muzeum』という美術館の主催者でもあるのです。

13年前から恋に落ちたように、つくり続ける彼女の作品はまだまだあります。

プラスチックには、自然に分解されるまで何百年もしくは、何千年もかかると言われるネガティブなイメージもあります。

だけど、良いところも悪いところも全てひっくるめて、アートとして蘇らせることで、人々に長く愛され続ける存在になったのです。

Licensed material used with permission by Veronika Richterova
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。