「デジャヴ」の真逆の現象「ジャメヴ」って経験したことある?未だ解明されない人体の謎に専門家が迫る

誰もが見聞き、または体験したことがあるであろうデジャヴ

一応説明すると、これは「既視感」とも言い、実際は体験したことがないのに、すでに体験しているかのように感じる現象のこと。

デジャヴについてはよく知られているが、実は、世界にはこれの真逆、「ジャメヴ」なる現象も存在するらしい……。

たとえば、書き慣れた単語に対して、まるで初めて見たかのように「綴りが間違っているかも」と思ってしまった経験はないだろうか?または、大人になって久しぶりに帰った実家が、まるで見ず知らずの家のように感じたことは?

これらは未視感、つまりジャメヴである。

要するに、すでに馴染みのあるものに対して、まるで初めて見たかのように感じる現象のこと。

この“ヘンテコな脳の謎”を解き明かすため、英メディア『Medical News Today』が6人の専門家に迫った。

まず専門家たちは、ジャメヴを「それが自分にとって非常に馴染み深いものであると知りながら、同時に非現実的または異常であると感じる感覚」と定義する。よく知られた単語フレーズ、さらに人物場所に対して発生することが多いという。

こういった奇妙な現象がなぜ起こるのか、残念ながら未だはっきりとは解明されていない。

専門家らが立てた仮説によると、ジャメヴは「脳内の知覚と記憶の間で起こる断絶が原因なのではないか」とのこと。一時的に情報が切断されることで、記憶処理が妨害されるらしい。

その他に、側頭葉の機能不全による記憶障害である可能性も原因の一つとされる。よってジャメヴは「てんかん」発作の前兆と言われることもあり、これはジャメヴだけでなく、デジャヴにも当てはまるという。

ただし、これらをよく経験するからといって、心配しすぎる必要はないようだ。

というのも、ドーパミンやセロトニン等の神経伝達物質の不均衡が原因の可能性もあるのだ。疲労やストレス、睡眠不足によって“ちょっとした脳の誤作動”を引き起こされるだけで、これは特段異常なことではなく、多くの人が経験するそうなので安心してほしい。

奇妙で興をそそる現象だが、健康にポジティブなものではないようなので、もしジャメヴやデジャヴを頻繁かつ長時間にわたって経験するようなら、病院での検査を推奨したい。

ちなみにデジャヴ(déjà vu)はフランス語で「見たことがある」で、反対にジャメヴ(jamais vu)は「見たことがない」という意味なんです。ややこしい……!

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