「会社が自宅を清掃」「オフィスはあえて郊外に」社員を輝かせる先進企業のユニークな6つの戦略

毎日同じ時間の通勤電車に揺られ、同じオフィスで、パソコンに向かって仕事をする。私たちの日常として染みついている流れかもしれません。しかし、価値観が多様化した現代では、勤務地からオフィス環境、さらには福利厚生まで、さまざまな制度を整えて「生き生きとした会社生活」をバックアップしようとする企業があります。
自著「あたらしい働き方」より、あなたの会社人生に気付きを与える、先進企業の取り組みをご紹介します。

01.
あえて都市ではなく
郊外にオフィスを置く

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オフィスが都市部にある理由とは、なんでしょう。ビジネス街にあればお互い訪問が容易になる。お洒落な街にあれば、会社のイメージアップにつながる。しかし、社員にとってはどうだったのでしょうか。

例えば、パタゴニアのオフィスはカリフォルニア州のベンチュラにあります。ロサンゼルスから車で2時間ほど。東京からの距離でいえば、茨城県くらいの感覚です。

「パタゴニアの給料はどちらかといえば、平均的です。しかし、それは都市部の感覚からすれば、です。言ってみれば東京の標準。でも、東京の標準で、地方都市で暮らせるということになればどうでしょうか」(パタゴニア)

東京に比べれば、地方都市はライフスタイルコストが8割だと言われています。つまり、可処分所得をぐっと高くできる。生活しやすくなる、ということです。高い家賃を払って都心に住み、ラッシュに揉まれて会社に通い、へとへとになって帰ってくる。遊ぼうにも、生活コストが高いから遊ぶお金がほとんど残らない。時間のゆとりもない。

都市部に会社があるスタイルが本当にまっとうといえるのか、よく考えてみる必要がありそうです。

02.
「旅する支社」で
クリエイティブなスパイラルを

Businessman Working by the Beach

勤務地といえば、とても面白い取り組みをしている会社があります。プロジェクトごと旅に出てしまう「旅する支社」を導入しているのが、カヤックです。

候補地を決め、条件が出て人数を決め、社員に手を挙げてもらい、合宿のような形で2週間くらいこもってひとつのプロジェクトを仕上げます。ハワイに行ったり、イタリアに行ったり、ベトナムに行ったり、行先は様々。食事にこだわったり、みんなで投票したり、こだわりながら旅先を選定します。

思い切った取り組みですが、実はこの取り組みで必ずしも劇的にプロジェクトの生産性が上がるわけではないのだそうです。しかし、社員が元気になったり、モチベーションが上がったり、健康度が上がったりする。それは社員の満足度の向上を生むし、新鮮な気持ちを生みます。結果的にクリエイティブな、いいスパイラルを生んでいるのではないでしょうか。

通信環境が進化した現在、どこかに固定したオフィスがあって強制的に出社させられるということそのものが、いずれは過去の常識になってしまうのかもしれません。

03.
壁やパーテーションに
アイデアを遮らせない

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勤務地だけが働く環境ではありません。オフィスの設計も、重要な環境のひとつです。
環境は人を変えます。一般的なオフィスレイアウトにして、既製の規格品の什器や備品を備えた瞬間、もしかするとそれらが持つ型のようなものにはまってしまうかもしれません。

大胆なオフィス設計をしているチームラボ。こちらの会社のフロアには、ほとんど壁がありません。

「会議室なんて、壁がある理由がわからないです。そんなものはいらない。情報は、どんどん漏れたほうがいいんです。互いに漏れ合っているほうが、面白くなる。例えばプロジェクトチームがミーティングをしている。参加者はいろんな漏れた音に刺激を受けながらアイディアを出せる。逆にミーティングの中で出てきた言葉に引っかかって、通りかかった誰かが意見を出すかもしれない。そのほうが面白い」(チームラボ)

壁やパーテーションのないオフィスでは、会話のやりとりも盛んになります。すると、あたらしいアイデアがふっと生まれる。
そして、もうひとつ、よいところがあります。それは、他人に常に見られていると倫理観が保たれる、ということ。倫理観が保たれれば余計なルールを作る必要もありませんので、結果的に自由にのびのびと仕事ができる環境につながるわけです。

04.
自分の頭をフル回転させる
パソコンのないデスク

neourban hipster desktop

現代社会において、仕事をする上ではパソコンが必須だと感じている方も多いと思います。ところが逆に、パソコンが発想の自由を妨げていると語るディー・エル・イー。ミーティング中はパソコンを閉じるように社員に指示しています。

知らない情報をパパッと調べてしまえる。これは、パソコンの強みでもあり、弱みでもあるのだといいます。

例えば、アイディア出しをしているときに、あそこに面白い喫茶店があると聞いた、と誰かが言うと、その喫茶店を調べたがる。調べた瞬間、わかったような気になってそれで終わってしまうのです。

「そうではなくて、頭で妄想してほしいんです。どんな素敵な喫茶店なのか、どんなファンタジーなのか、どんな人が働いていて、どんな内装なのか。ところが、それをやらない。パソコンがあることで、イマジネーションがすごく小さくなってしまっていて、自由な発想を阻害されてしまう。だから、パソコンを離れたミーティングも大事にしています」(ディー・エル・イー)

正解の情報に一直線に向かうのではなく、ああだこうだと寄り道して想像を膨らます。誰かの発言でさらに刺激を受けて、想像を膨らます。仕事にクリエイティブな感性が求められるのなら、その寄り道こそが大切になるのです。

05.
会社が費用を出して
自宅を清掃

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勤務地、オフィス、と働く環境を紹介してきましたが、これまで福利厚生も重要な環境のひとつとして考えられてきました。あたらしい働き方に挑む会社は、福利厚生も斬新なものを用意しています。

例えば、エバーノートでは、会社が費用を出して、ハウスクリーニングをしてくれるサービスがあります。

「2週間に1度、専門の業者に家の掃除をしてもらうことができます。目的は、従業員の生活上のストレスを会社が軽減することで、もっとストレスなく働けるようにしてあげることです。家の掃除のことを考えなくていい分、私的なストレスを持ち込まず、より楽しく仕事をすることができます」(エバーノート)

時間の節約とストレスの軽減によって、仕事をよりクリエイティブにし、仕事の効率化を図る。単に従業員に楽をさせるためにやっているわけではありません。仕事をとことん楽しみたい、という社員には極めてうれしい制度といえるでしょう。

06.
会社にも、社員にも、プラスづくし
おいしい食事を無料で提供

グーグルが有名になった理由は様々にありますが、おいしい食事が無料で自由に食べられる、というコンシェルジュサービスも、日本人を驚かせたのではないかと思います。

充実した食事を提供するというサービス、アメリカでは多くの会社が力を入れています。エバーノートではランチはもちろん無料、インド料理、ケイジャン料理、寿司…毎日違うものが提供されます。パタゴニアでは地元のオーガニック野菜を使ったサラダなど、健康に気を使った料理が評判です。

それでは、なぜこのような食事のサービスにこだわるのでしょうか。特に食事が無料という会社には、きちんと意味があるようです。

食事を有料にすれば、精算の際にどうしてもレジに行列ができてしまいます。この並んでいる時間が極めてもったいない。社内で無料で食事を提供したとすれば、外食に出るための時間も、レジに並ぶ時間も、短縮することができます。それだけ社員がゆっくりできたり、仕事に向かえる時間が増えるということ。

そしてなにより、おいしく健康的なものを食べることで、肉体的にも精神的にも豊かであることの大切さを感じているのです。食環境を充実させることは、社員のヘルシーなライフスタイルをサポートすることなのです。

あたらしい働き方
コンテンツ提供元:本田直之

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