家にまつわる「4つの常識」。実は多くの人が勘違いしていた・・・

家に関して「常識」と信じられていることには、実は誤解がたくさんあります。それに基づいて家を建ててしまうと、住む人を不幸にしてしまいかねません。自著『住む人が幸せになる家のつくり方』から、間違って理解されがちな家の常識を紹介します。

good-house1150828150821

01.
ソーラーパネルは
停電時には使えない

2011年3月11日に起こった東日本大震災以降、にわかに脚光を浴びたのが太陽光発電。「停電時にソーラーパネルがあったらそれを使って電力をつくれる、という危機管理意識」が背景にあったと思います。

ところが、ソーラーパネルは現時点では停電時にはほとんど使えないのです。ソーラーパネルの発電システムには蓄電池がついていません。停電した場合には、最大1,5キロワットの非常用コンセントだけしか使えない状態になり、これはパソコン2,3台か、携帯電話を充電するくらいにしか使えません。

震災直後ぐらいに「停電時にも使えるのでは?」という認識、意識が広がった印象があり、今でも「いざとなった時には、使えると思っている人」もいるかもしれません。もちろんまるっきり使えないというわけではありませんが、生活全般をカバーするまではまだない、ということだけは知っておいたほうがいいと思います。

現在は固定買収制度があるのに、このソーラーパネルも徐々に普及してきている感じで、今は逆にあまり「停電時のために」という意識で取り付ける人は少ないかもしれません。

02.
電球だけLEDに変えても
省エネにはならない

good-house1150831-02

太陽光発電と同様に、東日本大震災以降注目されているのがLED発電です。省エネが呼びかけられたこともあり、LED電球が飛ぶように売れているというニュースがよく流れていました。

しかし、まだまだ知られていないのではないかと思うLED照明の性質に、「熱に弱い」ということがあります。そのため、通常の照明器具で熱が逃げにくいタイプのものにLED電球だけをつけかえると、照明の寿命が縮んだり、故障の原因になったりしてしまいます。
LED照明にするのなら、電球だけでなく放熱のことも考え、出来れば照明器具も専用のものにすることをおすすめします。

03.
「高断熱高気密の家は、暮らしやすい」
というのは思い込み

多くの人は、高断熱高気密の家なら、冬はどこでも暖かいし、夏は全体的に冷えるからさぞかし暮らしやすいだろうと思いがちです。しかし、一概には言えません。高断熱高気密の家は、家の中をしっかり暖めようとすると、全体を暖めなくてはならないため、ものすごく経費がかかってしまうのです。

昔、局所暖房で使っていたエネルギーを灯油の量に換算した数字を1とします。しかし、私が拠点としている広島を含む瀬戸内海の気候では、高断熱高気密の家の中を暖房するためには、昔の4倍の灯油量が必要になります。

しかし本当に気密性と断熱性のことをしっかり理解して設計すると、昔の局所暖房と同じ程度のエネルギー量で抑えることができます。そういった家が世の中にもっと増えていくと、本当のエコロジーにつながっていくことでしょう。

ところで、高断熱高気密の家というのはレベルが様々で、この記事の使用は、次世代省エネ基準レベルの家のことを言っています。このレベルの家の断熱性能はとても中途半端で、全巻冷暖房をすると光熱費がかかるため、その例えとして昔の4倍の灯油量が必要と書いています。

しかし本当に機密性と断熱性のことをしっかり理解し、欧州などの世界基準レベルの高断熱高気密にして設計すると(日本の次世代省エネ基準の1.5〜1.8倍以上の性能)、昔の局所暖房と同じ程度のエネルギー量で抑えることができます。そういった家が世の中にもっと増えていくと、本当のエコロジーにつながっていくことでしょう。

04.
一番長持ちするのは
コンクリートではなく、木造建築

good-house1150817-01

家づくりの相談を受けると、必ずこう聞かれます。
「木造の家は寿命が短いと聞いているので、家の寿命を伸ばそうと思ったら、鉄骨や鉄筋コンクリートがいいのでしょうか?」
このような質問に対しての答えは、「一番長持ちさせられるのは木造建築です」ということです。

いままでの常識から考えれば意外なこともかもしれません。しかし、日本の戦前からある住宅はしっかりした木を使っているので、今でも崩れずに残っています。
しっかりとした木材と工法で建築して、正しい使い方で手を入れていけば寿命を延ばすことができるのです。

木造の弱点は、シロアリと湿気です。近年は壁内が湿気ないように設計して建設できるノウハウも蓄積されていて、80-100年もつ木造建築も立てられるようになってきています。

また、地震に対しても決して弱くありません。阪神淡路大震災のときに倒壊した木造建築をきちんと検証していくと、倒壊した家の多くはシロアリにやられていたのを改修していなかったなどの、メンテナンスの問題であったことがわかりました。木造だから壊れやすい、ということではないのです。

住む人が幸せになる家のつくり方
コンテンツ提供元:サンマーク出版

八納啓造

株式会社川本建築設計事務所代表取締役。1級建築士。広島と東京を拠点に「快適で幸せな建築空間づくり」を専門にする建築家。設計活動を行う傍ら、全国的に講演活動や執筆活動を行っている。

わたしたちが暮らす現代社会は、いま大転換期を迎えています。そんな新しい価値観の時代の、新しいライフスタイルとはどのようなものか。日米のベンチャー企業への投...
わたしたちが暮らす現代社会は、今大転換期を迎えています。新しい価値観を持った、ライフスタイルとはどのようなものか。日米のベンチャー企業への投資事業を行い、...
八納啓創株式会社川本建築設計事務所代表取締役。1級建築士。広島と東京を拠点に「快適で幸せな建築空間づくり」を専門にする建築家。設計活動を行う傍ら、全国的に...
いつも時間に追われ、イライラしがちな人ほど、人間関係のトラブルに巻き込まれてしまったり…じつは日常の行動が、その原因を作っているとも言えます。常識だと思い...
私は建築士として、さまざまな方が幸せに住める家をつくるお手伝いをさせていただいています。自著『住む人が幸せになる家のつくり方』から、特に成功した家づくりの...
海外で働いている人って、どこか優秀なイメージがありますよね。でもいくら日本国内で優秀な人でも、海外へ行ったとたんに仕事がうまくいかなくなってしまう人がいま...
01出る杭が打たれるのは、日本だけ!世界では通用しない日本人の常識。それを語る際、まずこれは言っておきたい。よく「諸外国に比べて、日本は出る杭は打たれる風...
モノや情報に溢れる現代社会。何かを手に入れることよりも、手放すことの方が難しかったりします。あなたの家は、ついつい買ってしまったモノで溢れていませんか?じ...
TABI LABOでは、月に一回「ReTHINK=考え直す、再考する」をテーマにしたイベントを開催しています。今回ReTHINKするのは「HOUSE=家」...
私は依頼主の方が自分の家を手にいれる際に、お金に対する感情が大きく影響してきている姿を、これまでたくさん見てきました。家はとても大きな買い物です。自著『住...
これまで50作にも及ぶ著書を記してきた本田直之氏。そのなかの22作をピックアップして、これまでに彼が綴ってきた言葉をまとめたのが『LIVE SIMPLY ...
「グレート・ギャッツビー」で知られるアメリカの小説家、F・スコット・フィッツジェラルドは非常に多くの手紙を残しています。その中でも紹介したいのは、ショーン...
近年アメリカでは、「小さな家で無駄なく豊かに暮らす」新たなライフスタイルが流行。トレーラーハウスやタイニーハウスで、自分らしく生活する文化に注目が集まって...
数年前、時代の多様化のなかで“働き方”が話題になった。そして今、その流れはもっと広い“ライフスタイル”という領域にまで及ぼうとしている。そのなかで話題にの...
世界的に見ても「影響力がある」と評価された思想家や指導者の多くは、敬意と中傷、その両方を併せ持っているものです。「和尚:OSHO」ことバグワン・シュリ・ラ...
白い肌、白い髪、白い背景。白一色でまとめられたこれらの写真を撮ったのは、フォトグラファーのYulia Taitsさん。彼女はアルビノの人たちにフォーカスし...
「家を建てる」というのは、多くの人にとって一生に1度の大切なイベント。家族全員が納得できる家を建てるためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょう。...
「子供だから」できないこともあれば、「子供だから」できることも。10歳の哲学少年こと中島芭旺(ばお)くんは、持ち前の行動力で出版社に直接「本を出したい!」...
家に置けるものは、たったの「108個」だけ。そんなコンセプトの家・マイクロハウスをつくっている会社が福岡にあります。ものを持たない、つまり丸腰であることか...
八納啓創株式会社川本建築設計事務所代表取締役。1級建築士。広島と東京を拠点に「快適で幸せな建築空間づくり」を専門にする建築家。設計活動を行う傍ら、全国的に...