建築家が本気で考えた「難民用テント」。驚きの機能とは?

家を失った難民たちの仮設住宅として、まったく新しい構造の折りたたみ式テントが登場しました。避難所暮らしの生活を、少しでもストレスなく暮らせるように開発されたテントです。

編みカゴ、提灯、ヘビ皮から
着想を得たテント

img13

従来の仮設テントは、いわゆる三角屋根の四方にペグ(地面に突き刺し、テントを固定する金具)を打ち込むもの。ですが、雨風の影響を受けやすく、「災害地にありながらテントが崩壊する事故が多かった」そう。この「Weaving a Home」の開発者、建築家Abeer Seikaly氏は自身の公式サイトで、強度がありながらも持ち運びに優れた仮設テントのデザインにのめり込んでいった経緯を綴っています。それは、彼女が生まれ育ったイスラエル郊外の砂漠に吹く強風に耐える、「遊牧民たちのテントのイメージが少なからずあったから」なんだそう。

スクリーンショット 2015-09-11 15.05.04

テントをデザインするうえで、彼女がとことんまでこだわったのが、軽量化と、持ち運びが便利なこと、さらには身の危険を感じさせない安全性。これらの要素を兼ね備えるため、Seikaly氏は、以下の3つのものからインスピレーションを得たそうです。編んだカゴ、提灯、そしてヘビの皮。
これらの機能を掛け合わせて設計されたプロトタイプが、このモノクロ画像のWeaving構造。アコーディオンのように開けば、蛇腹が表れる仕組み。たためばテントもコンパクトに持ち運びが可能となります。

 電気を生み、水を確保する
サステイナブルテント

img4

こちらは、蛇腹式のドームテントの内部。簡単にテントへと広げることができるそう。外側を覆う素材は、雨風を通さない全天候型の繊維を使用。骨格となるのは、しなやかな構造のチューブで支えています。建物の外面にできる蛇腹の溝も利用します。この溝を活かして熱吸収と通気を実現しました。

img13

さらに、外側の繊維は太陽光を吸収し、電力エネルギーへと変換できる特殊素材を使用。繊維が吸収したエネルギーは小型バッテリーに備蓄されるほか、雨水を貯蔵して飲料水やシャワーとして再利用することもできる優れもの。

img3

「Weaving a Home」は2012年、若手クリエイターの育成をサポートする「LEXUSデザインアワード」を受賞しました。紛争や自然災害で家を失った人々の命を支えるテントとして、さらには遊牧民たちの移動式住居としても、活躍する日が近いかもしれませんね。

Licensed material used with permission by  Abeer Seikaly

気象の変動が激しいサハラ砂漠では、意外にも豪雨が続くことも多いそうです。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告では、この水害により難民キャンプ用に設...
2015年夏、ヨーロッパは第二次大戦以来となる難民問題に直面しました。ドイツのデザインスタジオが製作した、この6分間のアニメーション動画は、シリアからの難...
世界ではまだ、多くの国が難民の受け入れに慎重な姿勢をとっている。人種のるつぼだったアメリカも、大統領が変わり、その温度は急速に変化しているんじゃないだろう...
ニュースでは、ヨーロッパ各国が難民受け入れ問題で混乱していたり、アメリカでもトランプ大統領がその受け入れを制限したりと、世界的に大きな話題となっている、難...
ユニセフが2016年9月に発表した「移民・難民危機レポート」によると、世界では約5,000万人もの子どもたちが、ふるさとを奪われているそうです。しかし難民...
紛争や貧困に苦しむ中東やアフリカの国々から、ヨーロッパへと海を渡る人々。ひところに比べその数は減少したものの、難民流入と受け入れ問題で欧州全体が大きく揺れ...
シリア出身のペインターAbdalla Al Omariさんは、最近ベルギーで難民として認定されたという。そして始めたのが「The Vulnerabilit...
「人間は誰にでも温かく、安全な場所で体を休める権利があるはずです。それが、たとえホームレスであったとしても。まるで厄介者のように扱うのではなく、彼らを思い...
欧米では野外フェスが終わった後の会場に、テントや寝袋といったキャンプグッズが大量に放置されたままになることがあるんだそう。つまりはゴミとなる訳です。そんな...
建築模型には、建築家の思考プロセスが集約されています。つまり、それは完成度の高い彫刻作品なのです!それが名だたる有名建築であればなおのこと。2016年6月...
過去の成功体験に溺れたくない。手持ちのカードは捨て続けて、新しいカードを増やしたい。僕が建築家として仕事をする上で、大事にしているのが“新鮮な気持ちで考え...
建築家とパティシエ。これらのスイーツを見て、意外にも両者の親和性が高いことに驚かされた。 ここで紹介するスイーツの数々は、ウクライナのパティシエであるDi...
面倒な組立てが不要のポップアップテントは、すでに多くの種類が発売中。だからその手軽さの説明はここでは割愛。代わりに、この「Cinch!」だからこそのメリッ...
せっかくのキャンプでアウトドアを楽しみにきたはずなのに、テントの設営に四苦八苦しているうちに、貴重な時間を取られてしまうことって結構あるもの。それもあって...
サンパウロ郊外Vila Matildeという街に建てられた、ある小さなおうちが、栄誉ある国際的な建築賞を受賞しました。それも2つ。幅わずかに4.8メートル...
あえて誤解を恐れずに言うならば、近ごろ流行りのグランピングとは“対極”にあるテント。そう言い切ってしまえるのは、この「クレイジーエックス」が、野外で快適に...
アウトドア好きやキャンパーは、気にも掛けないようなテントが開発されました。じゃあ、いったい何の需要があるのか?その機能を知れば、その答えが分かるばかりか「...
私は建築士として、さまざまな方が幸せに住める家をつくるお手伝いをさせていただいています。自著『住む人が幸せになる家のつくり方』から、特に成功した家づくりの...
意外とおしゃれなものが少ないペット用品。部屋に置くのがはばかられるものや、ペットは気に入っているけれども見た目がちょっと、なアイテムも…。しかし、建築家が...
ひとり暮らしでもしていない限り、自分ひとりの時間って取りづらいものですよね。それでも、ときには誰の目も気にせず「ひとりだけ」の時間を楽しみたいもの。そんな...