6分のアニメ動画が伝える「シリア難民流出問題」

2015年夏、ヨーロッパは第二次大戦以来となる難民問題に直面しました。ドイツのデザインスタジオが製作した、この6分間のアニメーション動画は、シリアからの難民流出の主な原因となった「国内情勢」から解説がスタートします。ヨーロッパ各国の受け入れ体制、さらには世界の目が難民問題へと向けられるきっかけとなった、あの出来事にも触れながら、今後の展開予想をしていきます。

400万人以上が国を追われ
EU諸国を目指した訳

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シリアにおける騒乱は、2011年チュニジアから勃発した民衆蜂起の「ジャスミン革命」によって、その影響がアラブ諸国にまで端を発した、いわゆる「アラブの春」が元にあります。
革命の波が広がり政治体制が崩壊する中、シリアのアサド政権はこれに耐え、未だ終わりの見えない内戦へと突入していきました。多くの組織が乱立し、なかでもIS(イスラム国)はこの混乱を捉え、イスラム教国樹立を目論み勢力を拡大していきました。

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対立の板挟みとなったシリア国民の実に1/3が国を追われ、およそ400万人以上が難民化。現在、近隣諸国の難民キャンプにいる95%近くがシリア難民だと動画は伝えています。ただし、ペルシャ湾の国々は「祖国放棄は恥だ」と難民を拒絶。
こうして、亡命の道を探し始めた難民たちが、海を渡りヨーロッパへと向ったことなどが、ポップなイラストで分かりやすく描かれています。

世界の認識を変えた
難民少年の死

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国境に押し寄せた無数の難民を前に、ヨーロッパ各国の受け入れ態勢は不十分でした。自国の抱える事情から受け入れを拒否する国もあったことは、ニュースなどでご存知なはず。
そんななか、難民に対する世界の認識が変わったのは、「トルコの浜辺に少年の屍体が打ち上がった日から」だと動画は強調しています。メディアで大きな波紋を呼んだシリア難民3歳児の溺死写真。もはや世界中が難民問題に目を背けられない。それを強烈に印象付けた幼児の死に、誰もが胸に期するものを抱いたのではないでしょうか?

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真っ先に手をあげたのはドイツでした。2015年内に80万人の難民受け入れを宣言。これは前年のEU全体の数字(62万6千人)よりも多い数字だそう。この他、EUでの受け入れに前向きな施作や、続々と寄付が集まっている事実を動画は伝えながら後半へと続いていきます。
シリア難民受け入れ後の予測やプランを独自に展開していく動画の続きはこちらから。

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