「スーパーの売れ残りは全部寄付します!」フランスのエコな法律とは?

食品ロス削減に向けた大胆な施策が続くフランス。2015年5月、満場一致で可決されたのが、スーパーマーケットの食品廃棄処理を禁止し、売れ残りの食品を慈善団体に寄付するか肥料、飼料として転用することを義務付けるもの。
あれから約半年、一頓挫していた、この先駆的な法案がついに国民議会で再可決されました。

売れ残りにだって
使い道はある!

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フランスでは毎年、推定700万トンの食品が廃棄されているそうです。なかには、未開封のものも多く、いわゆる食品ロスが懸念され続けてきました。
今回の法律が適応されるのは、売り場面積400平方メートルを超える小売店。賞味期限が近づいた食品や、売れ残った食品のうちまだ食べられるものは、慈善団体に寄付するか、家畜の肥料、農業用の堆肥として転用することが義務付けられたのです。

さらに、大型スーパーやチェーン展開する小売店では、食品寄付を実施する慈善団体と個別契約を結び、これに反した場合は最大で75,000ユーロ(約1,000万円)の罰金、もしくは懲役2年が課せられるそう。

とここまでは、今年5月の時点までのおさらい。実は当時、国民議会で可決されたこの法案を巡り、憲法裁判所によって審議差し戻しの頓挫があったようです。こうして、半年かけてこの度、ようやく再可決をみることとなりました。

食品ロス削減において
先駆者を目指すフランス

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「フランスは食品ロス削減において、ヨーロッパでも先駆的存在になるでしょう」

農産食品業担当相のギョーム・ガロ氏のコメントを紹介する「The Telegraph」。
一方で、これまでのように大量の漂白剤を投入して、期限切れ食品を溶解させ下水処理するといった、付け焼刃的な手段はもはや許されなくなった。と、これまで廃棄処理に手を焼いてきた小売店側のバックヤードについても、チクリと辛口な意見を添えています。

それでも、このフランスの革新的な法律制定は、同じ問題を抱える先進国からしても注目に値するもの。食品ロス削減をめぐる同国の動向を、メディアも即座に伝えています。

たった一人で、
74万人分の署名を集めた
地方議員の熱量

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英誌「The Guardian」は、フランスにおける食品ロスの内訳を細分化した記事を紹介しています。曰く、約700万トンのうち一般消費者が67%、レストランが15%、スーパーをはじめ小売店は全体の11%。このマスの部分をどう抑えるかが、社会全体の食品ロスを減らしていく最大の課題。という捉え方です。

一方で、EU全体でのロスにも注目。その数は約8,900万トン。世界食糧機構(FAO)によると、毎年、世界全体の食料生産量のおよそ1/3にあたる、約13億トンが廃棄されているといいます。

この現状に、一人のフランス地方議員(Arash Derambarsh氏)が立ち上がりました。彼は、小売店での食品廃棄を違法とするこの法案を、フランスだけでなくEU全体でのグローバル・スタンダードにすべく、国内21万人から、さらにはEU各国を周り、約74万人分の署名を集めて議会に嘆願書を提出。一躍時の人に。

パリ市内100軒の飲食店が
“食べ残し専用バッグ”を用意

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“食品ロスゼロ”への取り組みは、市民レベルでも始まっているようです。すでにパリ市内では、100のレストランが食べ残した料理を持ち帰るための専用ボックス(ドギーバッグ)を用意。法律で義務化するだけでなく、国民一人ひとりがムダをなくす試みに参加する意識が垣間見えます。

ところで、日本では毎年およそ1,700万トンの食品が廃棄されているそうです。これは、先進国でも圧倒的に多い数字。それでも、「もったいない」の原点にたちかえり、独自に食品ロス削減に向けた活動を続けるNPOや自治体もあります。

たとえば福井県。小売店だけでなく飲食店、さらには県民みんなで食べ残しを減らす「おいしいふくい食べきり運動」を2006年から展開中。ハーフサイズや小盛りなど、ロスが出ないメニュー構成や、野菜のバラ売り、食材を使い切るためのアレンジレシピなど、さまざまな工夫で食品ロス削減に取り組んでいるようですよ。

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