「好きなことでお金を稼ぐ」ために必要な準備とは?

「自分の思うがままに生活したい」…そう思っても、会社勤めをしている限りどうしても、この願いを叶えることはできません。

会社員を辞めて、海外を巡りながら仕事をしている本田直之さんと四角大輔さんの共著『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』では、仕事と遊びに垣根がない状態で働き、生活をする、モバイルボヘミアンという生き方を提唱しています。

ただし、それを実践するにはしっかりとした準備が必要とのこと。今回は、四角大輔さんが提案するミニマム・ライフコストや、生きていく上で必要なスキルを中心に見ていきましょう。

「好き」の徹底追及と発信で
個人ブランドを確立する

ーー 四角大輔

今の時代「誰もがアーティストとして生きられる世界」になっています。そんなエキサイティングな時代の真ん中に生まれたのに、このチャンスを活かさずに生きるなんてもったいない。

ただし、発信する際に注意しなければならないのは、単に皆が反応してくれそうなテーマや、ただ流行っているネタといった「誰でも投稿できるコンテンツ」を発信しても、決して熱烈なフォロワーはつかないということ。

今は本当に好きなことを突き詰め続けることが、独自のコンテンツに繋がる時代です。そして、その熱狂度が高ければ高いほど、そのコンテンツの独自性は高まり、必ずやアツい反応を呼び起こせられるようになります。

「コンビニのアイスクリームを究めた人」がテレビに出てガイドブックを出版したり、「熱狂的なゲームマニア」が動画サイトで数千万以上の再生回数を記録して収入を得たり…という機会を目にしたことがあるでしょう。

彼らは、決して仕事になると思って、毎日アイスクリームを食べたり、ゲームをやり続けたわけではありません。はじめから「お金を稼ごう」と思っていたら、きっとそんなことを突き詰めることはなかったはずです。

発信する情報やコンテンツがマニアックであればあるほど「個人ブランド」は確立されます。結果的にあなたがより多くの人に求められるコンテンツ提供者となり、いつか好きなことが仕事に繋がります。これは間違いありません。

ミニマム・ライフコストを
把握する

ーー 四角大輔

モバイルボヘミアンとして生きるために必要なことは、まずお金から解放されることです。そのためには、逆説的に本気になってお金と対峙しないとなりません。

ミニマム・ライフコストは、自分や家族が健康的に生活するために必要な最低限のお金のこと。これさえ分かれば、これ以上は無理して稼ぐ必要はないと気づくのと同時に、ムダな出費こそがもっともハイリスクな行為という「お金の本質」を知ることもできます。

自分の生活はいくら稼げば成り立つのか…。家計簿をつけることで、ムダの映し鏡になります。それを把握した状態で生きることが、お金を失う恐怖からの解放につながる近道なのです。

僕がかつてレコード会社で働いていた時も、常にこのコストを把握していました。東京で働いていた頃の必要な金額は、だいたい20万円ほど。1カ月のうち20日間ほどコンビニでバイトをすれば稼げる金額です。正直、楽勝だと思いました。

当時の僕はこのコストを把握することで、最悪、音楽の仕事をクビになっても大丈夫と腹を括ることができました。これを理解することで、思いきった挑戦ができるようになり、30歳を越えてから次々とヒットを出せるようになったのです。

今すぐ、あなたのミニマム・ライフコストを計算してみてください。

何を失うことが恐怖なのかを把握した上で、どうなっても生きていけると確信すれば、人は勇気を手にし、行動することができます。そうすることで初めて、あなたは「大きな挑戦をするための発射台」に立つことができるのです。

人生の「インフラ」となる
経験を蓄積する

ーー 四角大輔

発射台に立つあなたが次にやるべきことは、社会で生きるための基礎となる「ベーシックスキル」をしっかり身につけ、実績を生み出すための「専門スキル」を手にすることです。

まずは、今あなたがいる職場を「お金をもらいながら通えるビジネス訓練所」だと思ってください。そして、上司や先輩を「トレーナー」とし、日々積み重なるタスクを「トレーニングメニュー」と考えてみましょう。

いきなり転職や起業といったネクストステップを踏む前に、今置かれたその場所で、どんな世界へ行っても通用する「型」を習得すべく集中してください。個人として生きるために必要なあなたなりの実績は、その「型」を土台として、 後でしっかり作れば良いのです。

「ベーシックスキル」を学ぶためには、目の前の仕事にがむしゃらになることが大切です。そして次の「専門スキル」を手にするためには、失敗を恐れず、チャンスが来たら勇気をもって矢面に立ち、小さくてもいいので自分自身が納得できる結果を出すことが重要。そうして手にした最強の武器は、あらゆる職種・仕事にコンバート(変換)が可能で、 その後ずっとあなたの人生を支え続けるでしょう。

本田 直之

日米のベンチャー企業への投資育成事業を行いながら、年の5ヶ月をハワイ、3ヶ月を東京、2ヶ月を日本の地域、2ヶ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々を旅し、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。

四角 大輔

アーティスト及びブランドプロデュース、公式サイト〈4dsk.co〉、著書インスタグラム、〈Lifestyle Design Camp〉を通して表現活動を行い、ニュージーランドで半自給自足の森の生活を、年の半分は世界中で移動生活を送る。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。