本当にやりたいことに集中するための4つの「マイルール」

大手出版社を30歳で退社し独立してから、組織に属さないフリーランスとして、独自のライフスタイル&ワークスタイルを確立している安藤美冬さん。

独立してすぐは全く仕事がなかったと言いますが、現在では商品の企画、大学講師、コメンテーター、広告&イベント出演など幅広く活動しています。そんな安藤さんが現在の立場を築くことができた秘密とは、一体なんなのでしょうか。

安藤さんは著書『行動力の育て方 自分を変える「7+1の習慣」』で、こう語っています。

「もっと自分軸で動きたいなら、まずは身軽になること。そのためにはまず『捨てる』ことです」同著より、安藤さんが実践している、本当にやるべきことに集中するために目の前のことを取捨選択するための習慣をご紹介します。

01.
定期的な「自分デトックス」で
理想の自分に近づく

私は人生計画を3年サイクルで立てています。そこで3年ごとに新しい自分にとってのゴールを設定するために、「自分デトックス」というルールを作っています。

「自分デトックス」とは、今の自分を総点検して、「3年後の自分の器に見合わないものをそぎ落とす」作業のことです。

3年後に、どんな自分になっていたいかゴールを設定しましょう。そのゴールにいる自分を強く具体的にイメージしながら、今の自分を見てみます。そこで「3年後の自分に相応しくない」と感じるものをデトックスするのです。今の自分にとって必要かはもちろん、理想とするような暮らしや、3年後の自分像に少しでも「合っていない」と感じれば、それはもう捨てるタイミングなのです。

「自分デトックス」と名付けているくらいなので、捨てるものはモノにとどまりません。食べるものや住まい、情報、人とのつながり、言葉遣いまで多岐にわたります。

さらに定期的に行うことがポイントです。たとえば「毎月1日」「偶数月の第4土曜日」など、具体的なタイミングを決めると習慣化につながります。

02.
「ミニマムライフコスト」を
計算して未来の自分に投資をする

現在の自分は、過去の自分の行為や考えたことの集大成と言えます。だからこそ、今までと同じやり方、同じことをしていては、未来の自分の姿は今とあまり変わり映えしないでしょう。未来の自分を大きく飛躍させるために現在やるべきことのひとつは、「自分への投資」です。

とはいえ「未来の自分に投資する余裕なんてない」「生活にかかるお金があるから不安で使えない」という人もいるでしょう。そこでおすすめしたいのが「ミニマムライフコスト」という考え方です。これは「最低いくらあれば1ヶ月間暮らせるのか」といういわば必要最低限の生活費のことです。家賃、光熱費、交際費、食費などを細かく計算していき、この金額を具体的に算出してみましょう。

そして収入からミニマムライフコストを引けば、未来の自分に投資できる金額がどれくらいなのかを見積もることができます。この資金を毎月捻出するかどうかで、3年後の自分はまったく様変わりする、と言っても過言ではないと思います。1ヶ月分をその月のうちに使うのもいいですし、3ヶ月分、半年分、1年分ためて、語学学習や引越しなど、より大きいものへ投資するのもいいかもしれません。

03.
インプットとアウトプットの
バランスを取る

独立した後のある一時期、睡眠時間以外はずっと何かしらの仕事をしているような状態だったことがあります。今考えると、その時の私はアウトプット過多でした。日々もとめられるまま、情報やアイディアを出してばかりいては、いつか擦り切れてしまいます。

 

そんな風に頭を使う機会がとても多い方には、バランスをとるために「五感を使った行為」をおすすめします。

 

現在の私は、アーユルヴェーダの学校に通い、またマッサージも習い始めました。こうして新しい学び、新しい友人、新しい場所を得て、ようやく自分の中のインプットとアウトプットのバランスが取れてきたように思います。

 

逆に、20代から独立したての頃までの私は「インプット過多」でした。特に「独立しよう」と決めた29歳からの1年8ヶ月の間は、情報の入れすぎ・人に会いすぎ・予定入れすぎのために、かえって自分を見失ってしまいそうになることもしばしばでした。

 

このように、「自分はインプット過多かも……」と感じる人は、今よりも「発信する」ことに意識を向けてみてください。

 

情報や繋がりの受信者(受け手)であることから発信者(送り手)にまわることで、これまで自分の中にたまっていた思いや学びが放出され、自分の中でバランスを取ることができます。Twitterで感想を書く、ブログを書いてみる、という小さなステップからで十分なので、ぜひ今日から発信者になることを意識してみましょう。

04.
「思い通り」を手放して
「想定外」を楽しもう

以前の私は、「日々決めたスケジュールを淡々とこなすのが正解だ」と考える、融通のきかない人間でした。それで達成できたこともありましたが、一方で、全てを自分でコントロールしていくやり方、生き方に広がりの限界を感じるようにもなりました。

転機は、2015年にアジアの小国ブータンに行ったときに訪れました。かねてから「幸せ」を国の指標とするブータンのあり方に関心を寄せていて、旅行代理店とのタイアップ企画でツアーを敢行できることになったのです。参加者と一緒にバンコクで一泊してブータンに向かうことになりました。

ところがトラブルによって、バンコク発ブータン行きの飛行機の出発が、5時間ほど遅れることになったのです。参加者が落胆するかな?と多少気を揉んでいましたが、みなさんは全くそんなそぶりはなく、むしろ「ゆっくりと朝食を食べられた」「ホテルのプールでひと泳ぎできた」「近所を朝、散歩してきた」という声ばかりが聞かれ、その柔軟さに驚かされました。

その後、飛行機はブータンに到着したのですが、ここでもまた、思いがけないことが起こりました。予定されていた政府高官との面会が到着の遅れによってズレ込んでしまったことによって、ホームステイ先の農家のお宅で、ゆっくりと交流ができることになったのです。

一緒に食事をし、お酒を酌み交わしながら、みんなでざっくばらんにお互いの国の教育や幸せについて語り合う、とてもいい時間を過ごすことができました。こうした時間が持てたのは、飛行機の遅延のおかげです。

スケジュールに縛られないからこそ、楽しめる「偶然性」。たまたま起きた出来事、たまたま出会った人、たまたま目にしたもの……。こうした「想定外」を歓迎する人生は、広がりのある豊かなものになると思います。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。