ナニコレ!?「色のない虹」がアメリカ中西部で目撃される

これは、2016年8月22日ミズーリ州ニューヘイブンで撮影された写真。当時、雨は降っていなかったということですが、大地を覆う霧の上に“色のないアーチ”がかかっていることが、はっきり見て取れます。神のお告げか悲劇の前触れか…撮影した本人も不安で仕方なかったそう。

偶然目にしたのは
色どりを失った虹

「霧の中を運転していると、目の前に白いアーチがぼんやりと浮かんできたんです。最初は目の錯覚じゃないかと思ったんですが、気になって車を止めカメラを向けました。それがどれだけレアなものかなんて全く知らずに…」

得体の知れない不気味さを感じつつも、その神々しさに思わずシャッターを切ってしまったTammi Elbertさん。彼女は、竜巻をはじめ気象現象の追跡する「ストームチェイサー」。荒れ狂う自然の猛威に慣れっこな彼女も、目の前の不思議な光景に出会うのは初めてだったそう。

虹の正体がSNSで判明

すぐに不思議な超常現象をFacebookやTwitterで画像共有したことで、彼女が目にしたナゾの正体が「霧虹(きりにじ)」であることが友人より知らされました。

霧虹は、虹と同じような現象で発生するそうですが、降雨のときとは違い、雨粒(水滴)が霧のように小さいため、太陽の光が七色に分散せず、白く映るものをこう呼ぶんだそう。そのため白虹(しろにじ、はっこう)と呼ばれることも。

また、今回のように霧虹をくっきり視認できる観測条件は、太陽を背にしているとき、と国立観測所の情報を「ABC News」は補足しています。

霧虹を見るためには…

さて、気候条件が合致しなければなかなかお目にかかれない霧虹ではありますが、日本でもしばしば観測が報告されています。たとえば高い山の上や朝霧の湖畔、さらには飛行機の窓の外など。

霧虹が見える条件をざっくり定義すれば、①太陽に背を向けているとき、そして②正面(前方)に雨よりも小さい霧粒子が浮遊していること。

この②に関して「The Weather Channel」では、0.025インチ(約0.63ミリ)ほどが望ましいとしています。

七色の虹が出るときの雨粒よりも、もっと粒子の細かい水滴。すわなち霧雨が前方に降っていて、そこに背後から太陽の光が当たっているときがビッグチャンス!?

Licensed material used with permission by Tammi Elbert
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。