食べるならどっち?「京都」の迷いどころ3選

「京都は迷う街である。と言っても、道に迷うという意味ではなく、いつ行くべきか、何を見るべきか、どう動けばいいか。旅に出る前に迷い、着いてからも迷い、そして帰ってからも迷う。そんな迷いである」

これは、エッセイスト柏井壽さんの著書『京都に行く前に知っておくと得する50の知識』の冒頭に書かれている言葉。

京都には、この地域ならではの嗜好や珍しい食べ方など「独自の食文化」が存在しますが、その奥深いルーツまではあまり知られていません。子どもの頃から京都に住んでいるという著者ならではのポイントを紹介しましょう。

食べるなら、どっち?

冬の京漬物なら
「千枚漬け」と「すぐき漬け」
どっち?

今では混在していますが、かつて京都で「漬物」と言えば、乳酸発酵させたものを指していました。その中でも人気なのは、「千枚漬け」と「すぐき漬け」です。

聖護院蕪を薄く切り、塩漬けし、昆布や酢で味付けする「千枚漬け」は、昆布から出るぬめりが独特の食感を生みます。雪のような白さと甘酸っぱさを生む漬物で、子どもでも楽しめるのが特徴。その元祖的存在である老舗「大藤」の千枚漬けは甘すぎず、昆布の粘り加減も頃合いで、ご飯の共に持ってこい。訪れた際はぜひ購入してみてください。

対する「すぐき漬け」は、すぐき菜の葉と蕪を塩漬けしたものを室(むろ)の中で八日間発酵させて作ります。べっこう色の蕪は強めの酸味があり、どちらかと言えば大人向けの漬物です。1804年創業の「御すぐき處京都なり田」が販売するすぐき漬けは、洛北上賀茂の特産品として知られています。

冬に旬を迎える千枚漬けとすぐき漬けは、お節料理の箸休めに格好の食べ物で、それゆえに歳暮の贈答品としても重宝されています。

【結論】
子どもは千枚漬け、大人はすぐき漬けを愉しむ

京都で麺を食べるなら
「うどん」と「蕎麦」
どっち?

京都には、ランチタイムや小腹が空いたときなど、手軽に食べられる麺類の店が多く存在します。大きな特徴と言えば、うどんも蕎麦もダシが主役であるということ。麺は茹ですぎではないかと思うほど柔らかく、ダシを芯まで染み込ませています。

真夏の昼下がりで猛暑に包まれていても、ざるうどんより、温かいうどんを選ぶのが京都人。中でも、のっぺい、たぬき、けいらんなどの餡かけ系が人気。旅行者には、名の不思議さも含めて一度は味わってほしい、現地ならではの料理です。

ちなみに、気温が高くても餡かけ系が好まれるのは、濃厚なダシゆえのこと。飲むのではなく、ダシを食べるという認識なのです。

もちろん冬場に食べてもOK。餡のおかげでダシが冷めにくくなり、アツアツで食べられます。加えてそこにおろし生姜を加えると、身体の芯から温まりますよ。

【結論】
いくら暑くても温かいうどんを食す!

肉を食べるなら
「牛肉」と「豚肉」
どっち?

あまりイメージにそぐわないかもしれませんが、京都人は無類の肉好きです。そして肉と言えば「牛肉」を選ぶ傾向にあります。これは、著者が子どもの頃からずっと変わらないものです。

京都と牛肉が近しい関係にある理由は、2つあります。まずは位置です。日本地図を開くと、名牛の産地として有名な、但馬地方、近江地方、松坂地方のほぼ真ん中に京都があります。しかも、それぞれ100km圏内という近隣にあるため、身近に感じるのも不思議ではありません。

2点目は、古い伝統を大事にしながらも、新しいものには目がない一面を持っていること。過去を遡ると、明治4年に肉食が解禁された際には、すき焼きの名店「三嶋亭」や洋食店が軒並みオープンし、人気が爆発。ここで旨さを知った地元人は、口コミで広めていき、肉文化が発展していきました。

こうして名牛の産地に囲まれ、ハイカラ好きの都人に支えらたからこそ、現在も牛肉が愛されているのです。

【結論】
誰がなんと言おうと、肉と言えば牛肉!

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