飢餓のリアルを身をもって体感するために…。0円生活の自転車旅

「広い世界を見てみたい」、という情熱だけで海外に飛び出していたころの自分は、少ない資金で毎日ギリギリの生活をしていた。バックパッキングにおいて原動力となるのは、心から湧き上がるエネルギーだ。

だけど、やっぱり世界は広い!まさか、一銭も持たずに旅を堪能する人たちがいるなんて。

ここに紹介する旅人の型破りなスタイルや、心に素直な生き方を見ていると、同じ経験をしていない自分でさえも「もっとできることがある!」と、ついその気にさせられる。3人の旅人のストーリーをめぐる『無一文の旅が、私に教えてくれたこと』初回に続き、今回は【自転車編】のご紹介。

自分にある、すべての可能性を知りたい
Laura Bingham(冒険家)

2a2794ddf320af9062e2ab21a5c23692e94f71d1

「この人生の選択肢として選べるすべてのものを私は知りたい。そして挑戦したいの。他の誰かと同じではなくて、私だけの物語をつくるためにね」。

 そう語るのは、イギリスで生まれ育ったLaura Bingham。18歳の時に“地球”を探検すると決めた彼女は、世界各国を旅行し、メキシコ留学を経験したのち、絶滅の危機に直面したジャガーの保護活動に尽力を注いだ。その経験は彼女に、「できることは何でも挑戦していく」という強い意志を与えたのだとか。

やがて、パラグアイでホームレスや虐待を受けてきた若い女性の生活支援をする、『Operation South America』(以下、OSA)に所属。飢餓問題の深刻さを広く世に伝えるため今日まで活動を続けている。

愛用の自転車を走らせて、Lauraが南米をめぐる旅に踏み出したのは、2016年、23歳の時のことだった。

Lauraの決意:
「飢餓のリアル」を人々に伝えること

3ae2830134e6fc6f8d56237fd945bb300e4c228b

お金を持たずに自転車を漕ぎながら生活する毎日のなかで、食べるものを見つけられず、何も口にできない日もあった。旅を始めて数日は、廃棄された食料、昆虫を食べることなんてできない、そんな躊躇いがあったことは想像に難くない。

それでも、自身で見すえたゴールにたどり着くためには、日々ペダルをこぎ続ける体力が必要。前に進むほど空腹に襲われ、Lauraは自分が想像していた以上の飢えに苦しむことになる。その生活のすべてをメディアで、時には放送局をスポンサーにつけて公開しながら旅を続けた。

「世界には、飢えに苦しむ人たちがたくさんいます。次の食事にいつありつけるか、それすら分からない生活を続けている。それがどれほど苦しいことか、身をもって伝えたかったんです」。

前に進み続けるための、過酷な毎日

ときにゴミ箱をあさり、食べられるものを見つけては、その日暮らしで旅を続ける毎日。それでも、道中に出会った人が自宅に招き入れてくれたり、お風呂を貸してくれ、彼女の旅を応援してくれたそうだ。

こうした人のやさしさに救われるたび、Lauraは助けてくれた人々の暮らしに少しでも恩返ししていこう、と改めて胸に誓ったという。

12a557fb4cbcf9bca2e9fb9b710e805246897b2f

ペルーのアンデス山脈を、自転車を押しながら進む。

E80677102f09b3633c54d01101e2531aaf931fe3

南アメリカで支えてくれた、心優しい人たち。

3e69d3c63a85c904f3d2e74fb79972878a398c95

元気が出ないとき、何度も励まされたパラグアイの湖。

非日常をジブンゴト化することの意味

彼女が経験したこの旅も期限付きのもので、言ってしまえば非日常の苦しみ。対して彼女が目を向け続けているのは、それが日常となってしまっている人々だ。

Lauraを含め、私たちが彼らの飢餓の苦しみを10%理解することは、本当にできるのだろうか。けれどそれを他人事で終わらせず、ひとりでも多くの人が目を向けることの積み重ね。彼女は自らの肉体をかけて、“こちら側”にいる人々の目を向けさせたんじゃないだろうか。

Licensed material used with permission by LauraBingham
バックパックひとつの貧乏旅行が教えてくれるものは大きい。移動も寝食も楽ではない。けれど、だからこその気づきや学び、そして出会いがあるわけだ。ここに紹介する...
お金は心の余裕、というようなことをよく聞くけれど、こと「旅」に関しては必ずしもそれは当てはまらない。旅好きの冒険心は、衝動だけも十分な動機になり得る。あな...
2010年、夏。自転車でヨーロッパを旅していて、ちょうど1ヶ月が過ぎた頃だった。美しいブドウ畑を眺めながら、ぼくは南フランスの田舎道を気持ちよく走っていた...
「今日は○○へ行きます。旅の話をしますので、よろしければ何か食べさせてください or 一晩泊めてください」とTwitterでつぶやいては反応を待ち、声をか...
今や世界の多くの街に開通している地下鉄は、旅行者にとってメインとなる足。タクシーよりも安価で、バスよりも簡単。比較的安全で、正確に目的地に到着できるメトロ...
いま、アーロン・プジーという男性が、自転車でイギリス縦断の旅をしています。彼は2016年5月8日にスコットランドの最北端、ランズエンド岬をスタートして、8...
『イージーライダー』『モーターサイクル・ダイアリーズ』『テルマ&ルイーズ』……。ロードムービーが描く、美しい風景と美しいストーリー、その世界観が好きな人も...
ムスリムの女性が身につける布、ヒジャブ。これを被っているとひと目でイスラム教徒だということがわかってしまうので、イスラム教への誤解や偏見が強まっている現代...
ここで紹介するのは、哲学者・アウグスティヌスの言葉から始まるJeff Goins氏の記事。正直、その言葉を聞くだけでハッとする人も多いのでは?きっと、旅慣...
ひとりレストラン、ひとり映画。自分では快適なつもりでも、「ひとりで海外旅行に行く」って友だちに言ったら、「なんでひとりなの?」と驚かれることも。でもやっぱ...
「本当の旅の発見は新しい風景を見ることではなく、新しい目を持つことにある」ーマルセル・プルースト(作家)旅に出る前と帰ってきたあとを比べて、自分が「ちょっ...
あなたの周りにいる旅好き女子。もし、今パートナーがいないのであれば大チャンスかも!?ライターKimberley Chan氏がまとめた記事によると、彼女たち...
南米で初となった豪華寝台列車は、ペルーの世界遺産の街から有名観光地へ、アンデス山脈や谷間などを走り抜けながら大自然を堪能できる。食や内装もペルーに特化して...
本当の豊かさを追い求め、夫婦二人で2年間の世界一周の旅に出る。インドで人々と深く関わる中で、ひょんなことから小学校に机と椅子を贈るプロジェクトを実施し、そ...
フォトグラファーであり、ロードトリッパーのMolly Steeleさんは、自由をこよなく愛する女性。彼女が行く先々で撮影した写真は、つねに自然体で、旅する...
ほとんどの人は、大きな理想を語りながらも、安全な選択をして生きていきます。もちろんそれも、その人の人生です。でも「こんなところで何をしているんだろう?」と...
安藤 美冬/Mifuyu Ando1980年生まれ、東京育ち。慶應義塾大学卒業後、集英社を経て現職。ソーシャルメディアでの発信を駆使し、肩書や専門領域にと...
いつか仕事を辞めて、海外へひとり旅することを企んでいる人もいるのではないでしょうか?とは言っても、これは、人生を左右するかなり大きな決断。思い切れなくて憧...
Solen Yucelさんは、誰しもが羨む環境にありながら、すべてを手放して旅に出た。そこには、社会が期待する自分ではなく、自身が望む「本当の自分」を見つ...
Mike Minnickは、旅に出ようと思った。それも、ただの旅じゃない。電動自転車での走行距離で、世界記録を樹立する旅だ。その距離、実に5,000マイル...